建売住宅、仕入れミスを挽回する企画の立て方。

不動産マーケティング

建売住宅、仕入れミスを挽回する企画の立て方。

以前、コンサルティングをした建売業者さんの話。ある現場を仕入れたのですが、これが明らかに仕入れミス。企画の段階から苦戦が予想される現場でした。競合物件が多い激戦区の割に、人気のないエリア。仕入られる用地はたくさんあるけど、売りにくい場所です。その上、価格がベラボーに高い。どう考えても競合物件の中で最高値になりそうな物件です。

で、どうにかなりませんか?という相談だったのですが、私もスーパーマンではありませんから相場を無視した高値では売れません。最初は、丁重にお断りしたのですがそれでもどうしてもということでしたので条件付きでコンサルすることにしました。その条件とは、企画を最初から練り直すこと、です。

正直、その建売業者さんの建物ではその価格で売るのは無理。一人ぐらいなら間違って買ってくれる人もいるかもしれませんが、その現場は8区画。間違いなく売れ残りそうだったからです。そこで、最初から企画を練り直しました。

まず最初にやったのは、競合物件のリサーチです。基本的に、競合と同じ条件であればお客様は間違いなく安い物件を購入します。あえて高い物件を購入する必要はないからです。逆に、競合が持っていないものがあれば、価格が少々高くても買ってもらえる可能性は高くなります。だから、それを探します。

ポイントは、競合物件では解決できないことが自社の物件では解決できるようにすること。競合物件と自社の物件の違いを明確にすることです。例えば、競合物件が合板のフローリングを使っているのであれば、無垢のフローリングを使うことです。壁も競合がビニールクロスであれば、あえて珪藻土にします。当然、コストもかかりますが、コストがかかってもその違いがわかるようにします。

目的は、あなたの物件を購入する理由をお客様に与えること。価格の高さを正当化してあげる理由をつくることです。そして、この場合であれば健康に住める家に価値を感じるお客様に向けて広告します。そうやって、競合では解決できないこと(この場合は健康に暮らすこと)があなたの物件であれば解決できるということを示すのです。

安い物件では解決できないことが高い物件では解決できる。それがお客様が一番価値を置いていること(この例では、健康)だとすれば、高くても売れます。

あなたの物件には、競合にない魅力がありますか?競合と同じ魅力しかなければ価格競争に巻き込まれのは当然。そうなりたくなければ、競合にない魅力を身につけましょう。そして、それをアピールしましょう。そうすれば高くても売れるようになりますよ。

 

ピックアップ記事

  1. 不動産販売における重要な非必需品とは?
  2. なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?
  3. たまには建売業界の未来について真剣に考えて見ませんか?
  4. 安さを追えば追うほど売れなくなる理由。
  5. 不動産会社が参考にしてはいけない「お客様の声」とは?

関連記事

  1. 儲かる差別化に必要な3つの要素とは?

    不動産マーケティング

    儲かる差別化に必要な3つの要素とは?

    売れる建売業者になるため必要なこと。それは、差別化です。 お客様が…

  2. 建売業者も営業力の時代。

    不動産マーケティング

    建売業者も営業力の時代。

    売れ行きが悪い時、多くの売主は売れない理由を自分のせいにします。価…

  3. 本当の理由

    不動産マーケティング

    知らないでは済まされない!あなたの物件が売れた本当の理由。

    以前から気になっていた建売住宅が完売しました。そこそこの激選区に登場し…

  4. イオンに学ぶ!商品説明力と売上の関係。

    不動産マーケティング

    イオンに学ぶ!商品説明力と売上の関係。

    イオンが、iPadを使って、新商品の説明動画を従業員に配信しているそう…

  5. e-住み替え

    不動産マーケティング

    ”e-住み替え”誕生物語。

    不動産業界に入って32年、独立してすでに24年が経ちました。バブル…

  6. こうすれば新築住宅は青田で売れる!

    不動産マーケティング

    こうすれば新築住宅は青田で売れる!

    建売業者さんの信じている常識のひとつに、新築住宅は完成してから売れ!と…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 長期的に儲かる建売会社をつくるために経営者がすべきこと。
  2. なぜ流通経路を強化するだけで不動産は売れるのか?
  3. 売れる不動産広告は一日にしてならず。
  4. これからの新築分譲会社に必要な能力とは?
  5. あなたの不動産会社、失敗から学んでいますか?
  1. 不動産広告の8秒ルールとは?

    不動産広告

    不動産広告の8秒ルールとは?
  2. なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?

    不動産会社経営

    なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?
  3. 値引き要求の厳しいお客様を引き寄せる不動産広告の特徴とは?

    不動産広告

    値引き要求の厳しいお客様を引き寄せる不動産広告の特徴とは?
  4. 売れない新築住宅に共通することとは?

    不動産マーケティング

    売れない新築分譲住宅に共通することとは?
  5. 老舗不動産会社の社内改革が進まない理由。

    不動産会社経営

    老舗不動産会社の社内改革が進まない本当の理由。
PAGE TOP