建売業者さんの対応でいつも残念だな、と思うことに「近隣対策」があります。ひと言で言うと「雑」。十分な対応が取れていない業者さんが多いように思えます。
もちろん、なかには細心の注意を払っている業者さんもありますが、そんな業者さんは少数派。大抵は、ありきたりの対応で済ませているのがフツーです。きっと、近隣対策の重要性がわかっていないからだと思いますが、正直、近隣対策はかなり重要。今まで、トラブルがなかった業者さんは、ラッキーなだけです。
先日もある建売業者さんが、近隣で揉めて大変なことになっていました。もともと少し変わった人が住んでいたのですが、近隣対策を十分にしなかったおかげで、火に油を注いでしまったのです。その結果、毎日のように苦情。建物が完成すると案内に来る仲介業者にまで文句の嵐。当然、物件は売れません。
こうなると完全に瑕疵物件。近隣とのトラブルを隠して売ることもできなくなり、大赤字を出してしまいました。こんなケースも、もともとは気配りが足りないだけのこと。近隣対策に重要性をおいていないからです。
それに対して、ある建売会社の社長さんは近隣対策のプロでした。注文住宅出身の社長さんでしたがその対応は神業。いつの間にか近所の人がセールスマンになってその物件を勧めるようになるのです。やっていることは、ただ一つ。まめに近所に挨拶に行っているだけ。満面の笑顔で、にこやかに話しかけているだけです。
ある時、その社長に「コツはなんですか?」と聞いたことがありますが、社長曰く、コツは挨拶に行く時に、何かしら手土産を持っていくこと、とおっしゃっていました。高価なお菓子を持っていくのではなく、粗品程度の商品でいいから、挨拶と一緒に渡すと効果があるそうです。そのため社長の車にはいろんなタイプの粗品が大量に積まれています。
現場を見たついでに、「いつも工事でご迷惑をおかけしています」と挨拶しながら粗品を渡す。「来週、売り出しをしますのでよろしくお願いします」と言っては粗品を置いてくる。挨拶と一緒に粗品を配る、ということで社長が行かなくても、スタッフでも十分近隣の方とコミュニケーションが取れるそうです。粗品自体は、数百円程度のものばかり。10回配っても数千円。その程度のお金で近隣トラブルが回避できるだけでなく、近所の人がセールスマンになってくれるなら安いものです。
あなたも近隣対策に粗品を利用してはいかがですか?モノをもらって嫌な気になる人はいません。近隣対策をする担当者も手ぶらで行くより粗品を持って行く方が行きやすいもの。精神的な抵抗も少なくなり、回数も増やせます。お試しください。
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