老舗料亭に学ぶ、建売業界で生き残る方法。

不動産会社経営

老舗料亭に学ぶ、建売業界で生き残る方法。

コンサルティングをしていてよく思うことがあります。
それは、成功する人と失敗する人の差は、紙一重だということです。
今、事業がうまくいっている人も未来永劫、うまくいくとは限らない。
今、事業が行き詰まっていても近い将来、大復活することもある。

その違いを生むのは、ほんのわずかな心構え。
ひとことで言えば、変わる勇気があるかないか。
それだけのような気がします。

以前、あるテレビ番組で老舗の料亭が紹介されていました。江戸時代から続く老舗料亭。

伝統のレシピを忠実に再現しているのかと思えば、実はそうではないというのです。料理の味は時代によって少しずつ微妙に変化しているといいます。その理由は、日本人の味覚が時代によって変わってきているから。そのため伝統は守りつつも時代時代に合わせてわずかに変化をさせる。これが、数百年続く老舗の理由だそうです。そういえば、ある有名ラーメン店の店主も同じようなことをいっていました。

大切なことは、ただ単に、昔の味を守ることではないということ。時代に合わせて変化させる勇気を持つことだそうです。これは、経営者にも言えます。時代は常に変化しています。時代と共に、お客様の趣味嗜好も変化しています。であれば、つくる家も変化させなければならない。つくる家を変化させるには、自分が変化しなければならない。ここがポイントです。

私たちが老舗料亭のように生き延びていくには、自分が変化することが重要だということです。ただ、変化には苦痛が伴います。今までと違うことをするわけですから当然といえば当然。体も心も、拒否反応を示します。すると、ついつい元の居場所に戻ってしまう。

これをコンフォートゾーンというのですが、人はこのコンフォートゾーンからなかなか抜け出せません。ついつい気心の知れた仲間とだけ仕事をするようになります。そして、またいつもと同じような家を建ててしまう。そして、徐々に時代の求めるモノからずれて行ってしまうのです。もちろん大きくズレるわけではありませんから、表面的にはわかりません。しかし、確実にズレていくのです。そして気がついた時には修正ができないほど大きなズレになっているのです。

では、どうしたらいいのか?

答えは簡単です。居心地の悪い場所へ積極的にでかけていくこと。居心地の悪い場所にこそ、お宝が隠れていると知ることです。勉強が嫌いな経営者であればあえて勉強会に参加する。他社の建売住宅を見る機会が少なければ、あえて他社の建売住宅を見学する。人付き合いが苦手な経営者であれば苦手な人付き合いをしてみる。そんな居心地の悪いことにチャレンジすること。それが、会社も自分も成長する唯一の方法です。

あなたは最近、居心地の悪い場所に出かけていますか?

居心地が悪い場所にこそ成功が隠れています。居心地が悪いなと感じたら、それはあなたが成長している証(あかし)。積極的に居心地の悪いことをしましょう。自戒の意味を込めて。

 

 

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