中小建売業社は大手不動産会社に依存してはいけない。

不動産会社経営

中小建売業社は大手不動産会社に依存してはいけない。

中小建売業者さんのなかには、販売は大手不動産仲介会社に任せる、という会社があります。

大手不動産会社から土地を仕入れているという会社が多いのも一因ですが、土地を仕入れていないくても大手不動産会社に依頼する会社は結構あります。

中小の建売業者さんが大手不動産会社を利用する理由は主に2つ。

ひとつは、中小の不動産会社には「とっぽい」ところが多いから。勝手にチラシに掲載したり、無許可で捨て看板を現地に貼ったり、いいかげんなことを言って売ったりは当たり前。現地の電気はつけっぱなし、窓はあけっぱなし、そんなことが日常茶飯事。だから、愛想が尽きてしまったという人が多いようです。もうひとつは、大手不動産会社にはお客様がたくさんいそうだから。大手の看板に惹かれてやってくるお客様が多いと思っているようです。

これらが主な理由なのですが、結果はどうかというと、決して、かんばしくはありません。

なぜなら、大手不動産会社には新築一戸建てのお客様を引き寄せる特別な集客力はないからです。まったく集客力がないといっているのではありません。大手だからというプレミアムがあるわけではないということです。

どうしても、大手だと看板があるからお客様をたくさん持っていると思いがちですが、これは幻想。特に、新築物件に関しては強くないというのが本当のところです。

その理由は、彼らの主力商品が中古住宅だから。

大手不動産会社の強みは、信用というブランド力。これは、家を売却するという時に特に効果を発揮します。実際、中小建売業者が大手不動産会社なら、たくさんお客様を持っていそうと思うように、素人のお客様も大手不動産会社ならたくさんお客様を持っているだろう、「高く売れるだろう」と期待します。それで、大手不動産会社には多くの売却物件が集まってくるのです。

彼らにとって、素人からの売却物件は専属専任媒介がとれる格好の物件。片手手数料は確保したも同然です。あとは徐々に値段を下げさせて両手で契約を狙うのみ。こんなおいしい契約はありません。当然、会社としても自社の専属専任物件を売ることが最重要事項。おのずと広告宣伝費もそちらに回ってしまいます。

中小建売業者の新築物件はどうか、というと土地を大手から購入していない場合は、通常は一般媒介。売れる物件がないよりはあった方が売上が伸びる確率は高くなりますから一生懸命売りますとはいいます。しかし、力配分は決して多くはありません。どちらかといえば売れたらラッキーという程度。自社の専属専任物件とは力の入れ方が違います。

つまり、中小建売業者にとって大手不動産会社は理想のパートナーではないということ。どちらかというとこちらの片思い。幻想であることが多いのです。

大切なことは、あなたの建売住宅を情熱を持って売ってくれる仲介業者を見つけること。会社の規模や業歴は関係ありません。小さくても一生懸命やってくれること。売主の指示に従ってくれること。真面目な会社。そんな仲介業者を見つけることです。大手信仰は危険ですよ。

 

ピックアップ記事

  1. 選択肢を増やすと売上アップに繋がるのか?
  2. 売れる建売住宅をつくるための「ホストの法則」。
  3. 不動産集客はGISポスティングの時代。
  4. 成功事例に学べ!売れない商品が爆売れした意外な理由。
  5. 大手不動産会社と中小建売会社の戦略の違い。

関連記事

  1. なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?

    不動産会社経営

    なぜあの不動産会社は成長し続けるのか?

    コンサルティングをしていて思うことは、やっぱり不動産会社の成長は社長次…

  2. 新築分譲住宅、建てれば売れる時代の終焉。

    不動産マーケティング

    新築分譲住宅、建てれば売れる時代の終焉。

    コンサルタントの仕事をしていると建売業者さんの誤った認識に気づくことが…

  3. 不動産経営者注目!あの伝説の工務店が犯した失敗とは?

    不動産会社経営

    不動産経営者注目!あの伝説の工務店が犯した失敗とは?

    ある地方に伝説の工務店があります。今から16年前に社長一人ではじめた工…

  4. 不動産会社の離職率を下げる唯一の方法。

    不動産会社経営

    不動産会社の離職率を下げる唯一の方法。

    不動産会社の経営者の悩みの一つに、離職率があります。辞めていく理由は色…

  5. あなたの不動産会社に優秀な人材が集まらない意外な理由。

    不動産会社経営

    あなたの不動産会社に優秀な人材が集まらない意外な理由。

    中小企業が成長するうえで欠かせないのが、人材採用。どんな人材を採用でき…

  6. 不動産会社経営「もうはまだなり、まだはもうなり」

    不動産会社経営

    不動産会社経営「もうはまだなり、まだはもうなり」

    ビジネスとは不思議なもので、努力をしたからといってすぐに報われるもので…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 中小建売業者は高く売る技術を鍛えろ!
  2. 営業マンのいない建売会社でもできる!売主の販売戦略とは?
  3. えっ本当?売れる物件を作りたいならお客様の声を聞いてはいけな…
  4. 売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。
  5. 「部下を育てるのは難しいなぁ…」と思ったら。
  1. 不動産集客はGISポスティングの時代。

    不動産マーケティング

    不動産集客はGISポスティングの時代。
  2. プロダクトアウトの時代からマーケットインの時代へ。

    不動産マーケティング

    プロダクトアウトの時代からマーケットインの時代へ。
  3. イオンに学ぶ!商品説明力と売上の関係。

    不動産マーケティング

    イオンに学ぶ!商品説明力と売上の関係。
  4. 不動産チラシ、「価格は大きく目立つように」は正しいのか?

    不動産広告

    不動産チラシ、「価格は大きく目立つように」は正しいのか?
  5. 二匹目のドジョウを狙え

    不動産マーケティング

    建売住宅販売の新常識!二匹目のドジョウを狙え。
PAGE TOP