用地仕入れ担当者が陥る、確証バイアスの罠。

不動産会社経営

用地仕入れ担当者が陥る、確証バイアスの罠。

仕事柄、最も多い相談は、売れない物件をどうしたら売れるか?という相談。
売るためにどうしようと、あれこれ考えるのですが、いつも思うことがあります。それは、何でこんな土地を買ったの?という疑問。正直、この場所でこの価格でこの企画で売れるわけないじゃん、という物件も少なくありません。

懇意にしているクライアントには、何でこの土地を買ったんですか?とストレートに聞きますが、大抵は、「売れると思ったんだよな・・・」という答え。具体的な根拠があるわけではなく、いわゆる「勘」というやつです。問題なのは、そういう人たちは、過去にその勘で大儲けをしてきていること。勘による成功体験を持っていることです。だから、厄介なんです。

人間には、確証バイアスがあります。確証バイアスとは、無意識のうちに自分に都合のいい情報、自分の主張を後押しするような情報ばかりを集める傾向のこと。だから、「これは売れる!」と思ったら、それに対する反対意見は見えづらくなります。そして、自分の考えが間違いないと後押ししてくれるような情報ばかりを集めてしまう。結果的に「やっぱりイケる」という結論になってしまうのです。実際、売れない現場のほとんどは最初から勝負が決まっていたような現場。仕入れた本人も、冷静になって考えれば、ちょっと無理があったかなぁ、と思うような現場ばかりです。

では、誰もが持っている確証バイアスの影響を受けにくくするにはどうしたらいいでしょう?

対策は、2つ。ひとつは、客観的に見れる人に相談すること。本人は、すでに「売れる!」と思っていますから冷静ではありません。だから、冷静に、客観的に相談できる人の意見を聞くことが大切です。

問題は、誰に意見を求めるのかということ。決定権者が社長の場合は、社長に対等に意見を言える人しかダメ。部下や社員では、まず本音は聞けません。信頼できるコンサルタントに相談するか、意外なところでは、夫婦仲が良ければ、奥さんに聞くのもいいかもしれません。(意外と素人でも女性の直感は当たります。)ただ、コンサルタントも普通は社長の意見に反対する意見は言わないもの。そこは本音が聞けるコンサルタントか注意が必要です。

二つ目は、時間をかけて決断することです。即断即決は成功者の特徴だと、教わってきたかもしれませんが、実はそんなことはありません。大きな事業を成功させた人は、あえて「ゆっくり判断」しています。

アップルのスティーブジョブズしかり。彼が重要な判断をするときは、「素早く判断」するのではなく、散歩をして考えたり、人と話したりしながら、「ゆっくり判断」したと言います。ゆっくり時間をかけて、衝動じゃなく、論理的に考えて、判断したのです。

建売販売は、大きなお金が動くビジネス。一歩間違えば、今までの苦労がすべて水の泡になるビジネスでもあります。即断即決を求められる用地仕入れですが、あえて、じっくり冷静に考える。これからは、それも必要かもしれませんよ。

 

ピックアップ記事

  1. 中小建売業者が狙うべきプレミア消費層とは?
  2. なぜ売れてる不動産会社は売れた理由にこだわるのか?
  3. 売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。
  4. 不動産会社を成長させるために社長がやってはいけないこと。
  5. 楽天迷子って知ってますか?あなたの物件が売れない意外な理由。

関連記事

  1. いつまでワンマン経営を続けますか?

    不動産会社経営

    いつまでワンマン経営を続けますか?

    建売業者さんにはワンマン経営の会社が多い。建売業界に限らず中小企業には…

  2. 不動産会社の経営者と社員の溝を埋める方法。

    不動産会社経営

    不動産会社の経営者と社員の溝を埋める方法。

    コンサルティングをしていると「社員が思うように動いてくれない」と悩む経…

  3. 売上不振に陥る不動産会社の特徴とは?

    不動産会社経営

    売上不振に陥る不動産会社の特徴とは?

    売れない建売業者さんには共通の特徴があります。とりわけ、昔、売れていた…

  4. 老舗不動産会社の社内改革が進まない理由。

    不動産会社経営

    老舗不動産会社の社内改革が進まない本当の理由。

    ある地方の不動産会社をコンサルティングしたときのこと。 その不動産…

  5. 建売業者がお金をかけずに成約率を上げる一番簡単な方法。

    不動産会社経営

    建売業者がお金をかけずに成約率を上げる一番簡単な方法。

    建売業者にとって、お客様は誰ですか?という質問をすると、ほとんどの建売…

  6. 中小建売業者を狙うホームページ制作業者にご用心。

    不動産会社経営

    中小建売業者を狙うホームページ制作会社にご用心。

    最近、建売業者さんからホームページ制作について相談されることが増えまし…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 不動産経営者が乗り越えなければならない4つのステージとは?
  2. できる不動産会社の経営者が最も大事にすること。
  3. 値下げ前に絶対確認しなければならない2つのポイント。
  4. あなたにもできる「とりあえずオープンハウス戦略」とは?
  5. 相場より900万円高い土地の売却、あなたならどうする?
  1. 不動産集客はコンテンツ充実型チラシの時代!

    不動産広告

    不動産集客はコンテンツ充実型チラシの時代!
  2. こだわりの建売業者が陥る「一流の壁」とは?

    不動産マーケティング

    こだわりの建売業者が陥る「一流の壁」とは?
  3. 用地仕入れ担当者が陥る、確証バイアスの罠。

    不動産会社経営

    用地仕入れ担当者が陥る、確証バイアスの罠。
  4. 不動産マーケティング

    なぜ建売住宅は売れたり、売れなかったりするのか?
  5. これでもパワービルダーと闘いますか?

    不動産会社経営

    これでもパワービルダーと闘いますか?
PAGE TOP