コンサルタントの仕事をしていると建売業者さんの誤った認識に気づくことがあります。
それは、コンサルタントは売れ残り物件をなんとかしてくれる便利屋さん、という認識です。
もちろん、私たちは売れ残り物件を処理するお手伝いをしますし、困ったら相談してくださいとアピールもしています。しかし、本来の仕事は売れ残り物件を作らないこと。即日完売できるよう指導することが仕事です。それがうまく伝わっていない。そのため、にっちもさっちも行かなくなってからの依頼が多い(笑)。
正直、にっちもさっちもいかなくなった物件というのは、売るのにお金がかかります。掛けるお金がなければ、時間がかかる。大抵は、広告宣伝費がないわけですから、自分たちでその物件の良さを広めるしかないからです。
そこで気付いて欲しいのが、にっちもさっちもいかなくなってから販売にかかるお金と、計画段階で掛けるお金とどちらが安く済むか、ということです。これは明らかに計画段階で掛けるお金。こちらの方が断然、安く済みます。だからこそ、しっかりした事業計画が必要なのです。
建売業界の悪しき慣習のひとつに、「建てれば売れる」というものがあります。実際、今までの建売業界はその常識が当てはまっていました。仕入れの強い業者が隆盛を極めた時代。今でも地域によってはそんな悪しき慣習がまかり通っている場所もあります。
しかし、それは過去の話。今もそれがまかり通っているとしたらただ単に、ラッキーが続いているだけ。むしろ、そのラッキーは、将来のアンラッキー。近い将来足元をすくわれるかもしれません。大切なことは、作る前に作りこむことです。商品企画しかり、販売計画しかり、作ればなんとかなるなんて微塵も考えないことです。
売れるかどうかは計画段階で8割は決まります。残りの2割は、社会情勢と自分たちの努力。裏を返せば、作ってからできることは2割しかないということです。だとすれば、その4倍の価値がある計画段階に集中すること。それが、コンスタントに売れる会社と売上が安定しない会社の差です。
あなたの会社はどれだけ計画に真剣に取り組んでいますか?
安易な事業計画は、ビジネスを危険にさらすだけですよ。
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