建売業者さんの中には「いい家をつくれば売れる」と考えている業者さんがたくさんいます。それを信じて、切磋琢磨している業者さんもたくさんいらっしゃいますが、そんな業者さんが儲かっているか、というと決してそうではありません。
不思議なことに、いい家をつくることと売れること、儲かることは、単純にはリンクしないのです。もちろん、いい家をつくることは大切です。しかし、それは必要最低限の要素。それ以外にも押さえておかなければならないことがあるのです。
今回は、精神科医フロイト (1856年~1939年)の話を例にお伝えしましょう。フロイトの元には多くの患者がカウンセリングに訪れていましたが、ある時フロイトは病気が完治した患者に、「あなたの病気が完治した理由はなんでか?」とアンケートを出しました。すると、とても興味深い結果が出たのです。
1位 治療外要因(40%)
2位 先生との信頼関係(30%)
3位 先生への期待・プラシーボ効果(15.5%)
4位 先生のカウンセリングスキル(14.5%)
驚くことに40%が、フロイトの治療とは関係のない所で 悩みや不安が解決したと言うデータが出たのです。 フロイトの患者さんは人間関係の問題や色々な悩みや不安を感じて フロイトのカウンセリングを受けにきます。 しかし、完治した理由の1位が治療外要因だったのです。
2位は、フロイトとの信頼関係です。 この先生なら何でも話せるし、しっかりと私の話を否定せずに聞いてくれる、と言う先生に対する信頼感で悩みが解決されたと言っています。 3位は、信頼できる先生が カウンセリングしてくれているのだからという期待やプラシーボ効果で悩みが解決したと言っています。 (※プラシーボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言います)そして最後の4位がフロイトのカウンセリングスキルと解答しています。
これはそのまま建売業界にも当てはまるかもしれません。いい家だから購入したという人はごくわずか。多くの人は他の要因で購入を決めているからです。とりわけ、大きな要因は信頼関係。フロイトの場合であれば、この先生なら信頼できる、この先生が治療してくれるのだからきっと治るという期待感です。
これはそのまま建売業者とお客様、仲介業者との関係にも当てはまります。この売主さんなら信頼できる、この売主さんなら間違いない、という信頼を仲介業者やお客様に植え付けることができるかどうか、それによって売上は大きく変わるということです。
最近では、インターネットで売主についての評判を探ったり、売主のホームページをチェックするのは当たり前の時代になってきました。どんな印象をお客様に植え付けることができるか、そこが大きなポイントになるということです。いい家をつくることと、信頼できる会社であるということは同じくらい大切です。そこのところくれぐれもお忘れなく。
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