建売業界が抱える問題のひとつに、「お客様の声を聞かない」ということがあります。
購入した人が、なぜあなたの物件を選んだのか?という大事な部分を聞かないということです。
売れたのだからそれでいい、聞いたところで何の役に立つの?ということなのでしょうが、実は、これを聞くのと聞かないのとでは、商品企画に大きな違いが出てきます。
要するに、売れる商品を作れるか作れないかはこれを聞いているか、聞いていないかに関わってくるということ。ある意味、建売業者の生命線です。
それにもかかわらず、ほとんどの建売業者さんはこの生命線をないがしろにしています。
そして、売れない・・・と言って苦しむ。
そんな重要なポイントで最近何が起きているのか?実は、異変が起きているのです。
以前は、なぜ購入したのですか?という質問をすると、
「デザインが良かったから」とか、「設備が良かったから」とか、決めてがモノによるものが多かったのですが最近は、それがヒトに変わってきているということです。
「営業マンが良かったから」
「大工さんが親切だったから」
「社長さんがおもしろかったから」
「会社の雰囲気がアットホームだったから」
「現場の掃除が行き届いていたから」
どれも珍しい理由ではなく、昔からある購買理由ですが、その割合が増えています。考えられる理由は、それだけモノで差別化することが難しくなったということ。どこの建売会社もそこそこのレベルの家が建てられるようになったことです。
だから、同じようなモノなら最後は人間性。いい人から買いたいということなのでしょう。実は、マーケティングの世界ではこれは随分前から言われています。
これからはコンテンツの時代ではなく、コンテキストの時代だと。
コンテキストとは文脈、背景という意味ですが、ビジネスの世界では購買経験という意味で使います。要するに、商品だけでなく、商品を買うことによって得られる経験もお客様は求めているということです。
同じ商品なら楽しい経験とともに購入したい気持ちよく購入したいというのが消費者の気持ち。それがより強くなってきているということです。
だとすれば、建売業者さんがすべきことは簡単です。
お客様に気持ちよく買ってもらえるようにソフトの部分を強化すればいいだけ。接客も含めて、丁寧な対応をすればいいだけです。職人さんも巻き込んで丁寧な接客や、キレイな現場を心がけることで大きく差別化できます。お試しください。
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