コンサルタントをしていると、何でも自分でやらないと気が済まない、何でも自分が納得しないと決断できない、という経営者に遭遇します。小さな会社ならそれも仕方ないと思うのですが、そこそこの規模の会社でもこのスタイルの経営者は少なくありません。
いいか悪いかは価値観の問題ですが、企業経営という点で考えれば、このスタイルはマイナス。なぜなら成長のスピードが遅くなるからです。そもそも、トップが全てを把握し、全てを決断するのは時間的にも能力的にも無理があります。
にもかかわらず、このスタイルから抜け出せないのは、トップがプロの仕事を勘違いしているから。何でも自分でやること、全てを把握しておくことが責任感のあらわれだと勘違いしているからです。
以前、原田隆史さんという著名なコンサルタントが以下のようなことを話していました。
その昔、私は、何でも全部「自分でやる」これがプロの仕事だと思っていた。
しかし本当は、プロは、「大事なところ、肝所は、自分でやる」そして、自分が苦手なこと、知識が足りない部分については、「任せられる人にやってもらう」やってもらえる人脈、人間関係があるということだ。このことに気づいてから、私はより一層、時間を有効に使えるようになった。
何でも自分で一から学ぶのではなく、すでにそのことを知っている人、マスターしている人に教えを請う。年齢や性別など全く関係ない。或いは、その部分については、マスターしている人に任せてしまう。やってもらうのだ。こういった気づきを得たことのプラスの効果は、以下の通りである。
・自分の肝所に集中できる
・できる人を探して行動するので、人脈が広がる
・「教えてください」という姿勢がある限り、謙虚さを忘れない
ということらしい。
正直、私もなかなか仕事を人に任せられないタイプ。何度も、任せて失敗した経験がトラウマになり、今もそれを引きずっています。しかし、これでは本当の意味のプロにはいつまでたってもなれません。ここらで思い切って任せられる仕事は全てアウトソーシングしようと思います。
プロは自分の肝所に集中する人。それ以外は自分以上の能力のある人に任せられる人。そんな人脈のある人ですよ。
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