中小建売業者さんが犯す間違いのひとつに「いいものを安く売る」という使命感があります。
真面目な建売業者さんであればあるほどこの考え方が強い。
確かに、いいものを安く売ればお客様も喜びますし、売りやすいでしょう。
しかし、それが本当にお客様のためになるのかというと、疑問も残ります。
そもそも、いいものを安く売るのは至難の技。よほど特殊な仕入れルートがあるとか、安く施工できる技術を持っているとか、特別な何かがないとできません。
実際、いいものを安く売るというのは日本だけの考え方。
海外では、いいものは高い、というのが常識です。
そんな非常識をやっていて儲かるのかというと、トップは儲かるでしょうが、他はなかなか厳しい。当然、利益が少なくなるわけですから会社の体力は落ちます。ちょっとした不景気が来れば青色吐息。そんな時に限って、顧客からのクレームが来るものです。
利益がなければクレームに対する対応も自然と雑になります。雑になればさらにクレームが増します。そして、顧客はいつの間にか顧客ではなくなっていく。このパターンに納得する業者さんも多いのではないでしょうか。
そもそも住宅業界は、クレーム産業。
どんなに完璧に仕上げたつもりでもクレームは来るものです。そんな時に、顧客が望むような対応ができるかどうか、それによって顧客がクレーマーに変わるか、紹介のでる優良顧客に変わるかが決まります。そのためにも、利益は大切。いいものを売っているのであればなおさらです。
大切なことは、いいものを安く売ることではありません。
いいものを高く売ること。いいものを高く売れるノウハウを磨くことです。
言葉は悪いですが、安売りはバカでもできます。
明日からでも、今からでもできます。
しかし、高く売るのはバカではできません。
高くてもそれ以上の満足を与えられなければ売れないからです。
価格に対する満足度というのは、相対的なものです。高くても本人が満足していれば安いと感じ、安くても本人が満足していなければ高いと感じます。
あなたも価格は高かったけど、あれはよかったなぁ、というサービスを経験したことがあるでしょう。それを思い出してみてください。そして、それを自社の販売に応用してみることです。小さなことで積み重なると大きな違いになります。高くても満足してもらえる違いに変わりますよ。
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