よくクライアントから質問されることのひとつに、予告広告は必要ですか?という質問があります。大手不動産会社などは頻繁に予告広告をしていますが、それが効果があるとは思えないというのが中小建売業者さんの考えです。
実際、予告広告には価格が記載されていませんから購入しようにも検討できません。なんとなくあの場所に新しい家が売り出されるんだ・・・という程度のもの。そんな広告に高い費用をかける理由がわからない、というのが中小建売業者さんの言い分です。ある意味、正論です。
しかし、大手不動産会社が予告広告をするのには理由があります。それは、お客様に物件の存在を認知させるためです。なぜなら、お客様が広告を見てから購入を決断するまでの期間は、4か月程度と言われているからです。
あの場所に新しい家ができると、お客様がぼんやり認識してから、真剣に購入を決断するまで4か月程度時間がかかる人が多いということ。そのため、建物が完成する前から広告活動を開始しないと、完売時期が遅れてしまうことになるからです。
中小の建売業者さんのなかには、建物が完成してから販売を開始した方がいいという人がいますが、これは大手不動産会社などの戦略とは大きく異なります。確かに、建物が完成すると見栄えもよくなりますから売りやすいのですが、一気に売れれば問題ありませんが、一気に売れないと残りの物件は苦労することになります。
何しろ、お客様が物件の存在を認知してから実際に購入するまでに4か月かかるわけですから、完成後から広告活動をするというのは売れるのは4か月後ということになるからです。
そのため、4か月間辛抱できずに値下げをすることに・・・。場合によっては市況が変わって、大幅な値下げをしなければならないということも起こり得ます。それを防ぐのが予告広告です。
予告広告によってお客様に物件を認識してもらい徐々にその存在感を増していく。そして完成と同時に一気に攻め落とすのが目的です。映画の予告編が1年も前からやっているのはそのためです。
「ローマは一日にして成らず」ではありません、が建売住宅の販売も一日ではできません。時間をかけ徐々にお客様の気持ちを上げていくのが大切。そのためにも予告広告はうまく利用しましょう。早期完売には必須の手段ですよ。
この記事へのコメントはありません。