コンサルティングをしていて思うことは、やっぱり不動産会社の成長は社長次第だということです。
もっと言えば、社長がどれだけ捨てる勇気を持っているか。
プライドを捨てる。
過去の栄光を捨てる。
成功体験を捨てる。
権限を捨てる、等々。
いかに抱え込んでいるものを捨てられるか、それにかかっているのではないでしょうか。社長といえども、永遠に会社の舵取りができるわけではありません。いつかどこかで誰かにバトンタッチしなければならない時期が来ます。そんな時、いかに人に任せられるか、全面的に権限を委譲できるかがカギです。ただ、これがなかなか難しい。どうしても、自分が関わりたくなるのが人情だからです。
実際、コンサルティングの現場ではよくそんな問題に遭遇します。以前、あったケースは、広告。とある地方で爆発的な反響を得た広告をモデルにその会社の広告を作った時です。担当者には、その意図や実際の成功事例を説明し、担当者もそれに納得。ワクワクする思いで社長に広告原案を見せたところ、「ちょっとイメージが違うな」と一瞬で秒殺。
ここをこうして、あそこをこうしてと社長の指示で全面変更。結局、いつもと同じ広告になってしまいました。結果はというと、結果もいつもと同じ。これじゃ、意味ないじゃないか、と担当者は怒られていましたが、原因は社長です。
まあ、これは珍しくありません。こんなことがコンサルティングの現場では日常茶飯事です。その一方で、滅多にお目にかかることはありませんが、全面的に私や担当者に任せるという社長さんもいらっしゃいます。
ある地方の不動産会社でしたが、業績は決して悪い会社ではありませんでした。むしろ、コンサルティングなんていらないような業績の会社なのですが、コンサルティングの依頼が来ました。社長に理由を伺うと、「いやぁ、今の業績が私の限界なんですよ、これ以上良くするには外部の力が必要かなと思って・・・。やり方には一切口出ししませんから、好きなように指示してください」と、担当者までつけてくれました。
実際、広告も商品企画も社長はノータッチ。それまでの会社のやり方とは大きく違うやり方を提案したので、相当違和感はあったと思いますが、何一つ社長からのクレームはありません。今では、担当者が社長の代わりに広告も商品企画もできるようになりました。
今までと違う結果を望むのであれば、今までと違うやり方を選ぶしかありません。
違うやり方を選ぶのであれば、思い切ってすべて任せることが大切です。
社長が本気で捨てる勇気を持った時、会社は大きく変わりますよ。
この記事へのコメントはありません。