マーケティングを勉強していくと、「プロダクトアウト」「マーケットイン」という言葉に出会います。プロダクトアウトとは、企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論を優先させる方法のこと。「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方で、従来の大量生産がこのやり方に当たります。
一方、マーケットインとは、ニーズを優先し、顧客視点で商品の企画・開発を行い、提供していくこと。プロダクトアウトの対義語であり、「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という方法を指します。
日本では長い間、「良いものを作れば売れる」という時代が続きました。しかし1970年代以降、市場の成熟化・飽和化と技術の高度化によって、さまざまな業界で供給過剰に陥り、企業の都合で作られた商品やサービスのままでは、受け入れられなくなってきました。
そこで90年代前半、顧客の視点やニーズを重視しようとする発想が登場し、それらを起点にしたビジネスが考え出されました。それがマーケットインという発想です。マーケットインは一定の需要を確保できる可能性が高まるため、採用する企業が増えています。
では、建売業界はどうでしょう?
私が見る限りでは、相変わらずプロダクトアウトの発想で商品づくりをしているように思えます。
画期的な商品で市場を独占したいという場合であれば、プロダクトアウトという考え方は重要です。しかし、市場を独占したいというより、経営を安定させたい、確実に売れる商品をつくりたいとあなたが考えているなら、プロダクトアウトよりマーケットインの方が無難です。
なぜなら、そこにはすでに一定の需要があるからです。
ビジネスが上手くいくかいかないかは、需要>供給 という状態になっているかどうかで決まります。
需要はあるけど、供給が少なければ商品は確実に売れます。
であれば、顧客の視点やニーズに沿った商品を開発すれば売れるということ。
顧客が本当は何を求めているのかを把握し、それに応える商品をつくれば売るのは難しくないということです。
それにも関わらず、売れないというのは顧客が欲しいものがわかっていないということ。あなたがいいと思う商品、あなたの価値観を押しつけているからです。
まずは、商品づくりをプロダクトアウトからマーケットインに変えましょう。
お客様が本当は何を望んでいるのかそれをひとつひとつ分析しましょう。それさえできれば経営は一気に安定します。市場を独占する商品で勝負するのはその後です。
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