以前コンサルティングした建売業者さんの話。完成してからかれこれ半年。全4棟のうち、売れたのは1棟だけという現場でした。仲介業者の前評判は良かったのですが、蓋を開けてみればさっぱり。なんとか1棟は売れたのですが、購入したのは全く想定エリア外のお客様。たまたまインターネットで見つけたというお客様でした。
価格交渉の幅を与えたり、担当者ボーナスを持ちかけたりと、仲介業者のモチベーションが上がるように様々なアプローチをかけたのですが、それでも売れる気配なし。いよいよ赤字覚悟で大幅値下げか、というところで相談がありました。
さて、こんな時コンサルタントはどうするか?
ということですが、
まずは、値下げを思いとどまらせます。
値下げは有効な手段のひとつですが、ただ単に値下げすればいいというものではありません。値下げの前に、物件の価値を上げることが重要。4,000万円の物件なら5,000万円の価値があるように、お客様が感じる価値を上げる必要があります。
価値を上げてから、それが今回はこんな理由でこの価格に値下げします、とやらないと効果がありません。テレビの通販番組と同じやり方です。それをしないと、ただ単に利益を減らすだけで購買には結びつきません。
では、どうすれば価値が高まるのか?
ということですが、
その物件を一番欲しがる人は誰かを考えるのです。一番欲しがる人が一番価値を感じるということ。今回の物件であれば、1棟売れていますからその物件を購入した人を分析します。
年齢はいくつか、
家族構成はどうか、
年収は、
仕事は、
趣味は、
なぜその物件を気に入ったのか、
ということを分析するのです。
そして、それと同じタイプの人に向けて広告を展開します。柳の下の二匹目のドジョウを狙うのです。この場合、大切なことはピンポイントで狙うこと。ペルソナといって、具体的な人物を設定してその人に向けて広告をつくることです。
要するに、たった一人の想定人物に向けてその人だけを魅了するような広告をつくることです。間違っても不特定多数の人に向けた広告をつくってはいけません。それだけで、少なくとももう1棟は売ることができます。
柳の下の二匹目のどじょうを狙う、という諺は、一度成功を収めたからといって、再び同じようにうまくいくとは限らない、ということを意味する諺ですが、住宅販売では別。結構な確率で柳の下に二匹目のどじょう(お客様)がいます。お試しください。
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