以前ある人が、引き込まれる話と引き込まれない話の違いについて語っていました。その人によれば、引き込まれる話とは「もっと聞いてみたい」「聞いていて心地がいい」と思わせる話だそうです。
確かに、そんな話ができれば商談には有利になりますし、そんな話を文章にできれば集客にも使えます。では、引き込まれる話と引き込まれない話は何が違うのでしょうか?
そこには話の構成、話の内容、話している人の表情、身振り手振り、などいろんな要素があります。しかし、それよりも大事なことがあるそうです。それは、「実体験」が入っているかどうかだそうです。話の中に、過去に自分に起きた出来事、その話の元になるルーツを入れると、ぐっと引き込まれる話になるというのです。
例えば、車好きな人が自動車販売店の面接を受けるとします。「なぜこの会社を選んだのですか?」と面接官に聞かれたら、
「私は小さな頃から自動車が大好きでした。小学校の時には車のデザイナーになりたくて毎日のようにスーパーカーの絵を描いていました。バスに一人で乗れるようになってからは、友達と一緒に幕張で毎年開催される輸入車ショーに行って、ベンツやBMW、フェラーリなどを見たり実際にシートに座ったりして、いつかこんな車に乗りたいと憧れていました」というように過去の話からしていくと、本当に車が好きなことが面接官に伝わるというのです。
ポイントは、「過去、現在、未来」と順番に話をすること。それだけでより聞いている人に伝わりやすくなります。この手法はそのまま住宅の販売現場でも利用できます。
すべてを実体験で語ることはできないと思いますが、そんな時は他人の実体験を利用すれば大丈夫。例えば、半身浴のできるお風呂を説明するときには、
「このお風呂は、社長のお子さんが小さかった時の経験に基づいて選びました。当時は、半身浴のできるお風呂がなかったそうです。そのため、社長が湯船に浸かると子供は立たないと話ができなかったそうです。だから、子供と視線が合わず、ゆっくり話ができなかったと言います。でも、半身浴のできるお風呂なら浴槽内にステップが付いているので、そこに子供を座らせるとちょうど視線が合うそうです。社長はいつか孫ができたら絶対に半身浴のできるお風呂にリフォームすると言っています」
と、こんな風に説明すると半身浴のできるお風呂の魅力も随分伝わってきます。販売で大切なことは、伝え方。同じ商品でも伝え方を変えるだけで魅力は倍増、売上もアップします。お試しください。
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