「小さい頃の僕はとにかく内気で大人しい少年だった」
「早稲田大学には入学したものの、映画やパチンコ、麻雀で、ブラブラしてい た4年間だった」
「就職のことは考えず、できれば仕事したくないな、と思っていた」
「大学を卒業後、少しの間スーパーに勤めたもののたった10ヶ月で退職した」
さて、この人物は誰だと思いますか?
実は、この人はユニクロの柳井正氏。先ごろ、フォーブス 2016年版 世界長者番付けで2年連続日本No,1の総資産を持つ経営者として紹介されたファーストリテイリングの柳井社長です。
その資産は、日本円で約1兆6060億円。(1ドル=110円)とてつもない金額ですが、若い頃はどちらかといえばダメダメ青年。人間って変われるものなんだなぁとつくづく思います。
そんな柳井氏が経営者に対して以下のように言っています。
「経営者は満足したらそこでおしまいだ。世界中には自分より良い方法でやっている経営者がたくさんいると思うべき。今は世の中がどんどん変わっており、最大の変革期にある。中でもグローバル化とデジタル化の波が大きい」と。
そのうえで、
「日本人は概して、変えるということに非常に怯えているか、自信がない。一番の長所であり短所であるのが安定、安全、安心だ。だが、それらは経営にはまったく必要ない。この3つが出てくることは経営に満足しているということだ。成功するには時代を追っかけていてはダメ。変化を自分で作って行かなければならない」と。
確かに、「日本人は変えるということに非常に怯えているか、自信がない。」というのはコンサルティングの現場ではよく遭遇します。現状に満足できないから改革しているのに、すぐに結果が出ないと諦めて元の状態に戻してしまう、そんな経営者はたくさんいます。
もっとも、経営者自身はそのまま続けようと思っていても、周囲がそれを許さないというのも事実。古参の社員や、改革することによって新しいスキルを覚えることが面倒な人、業務が増えることを嫌う人など、現状に不満はあっても安定を脅かされることに恐怖を持つ人が足を引っ張るのです。
その結果、会社はズルズルと後退していく。気がつけばニッチもサッチもいかない状態になっているというのがオチです。大切なことは、経営者がリーダーシップをとって変化を作っていくことです。
現状維持は後退と同じ。時代を追いかけるのではなく、自ら変化をつくっていきましょう。ユニクロのように。
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