なぜ社長の好みで家をつくってはいけないのか?

不動産マーケティング

なぜ社長好みの家をつくってはいけないのか?

家といっても、購入する世代によって求めるものは大きく違います。
だから、売れる家をつくるためには、購入してもらいたい世代にあった家をつくることが大切。まぁ、商売の基本と言えば基本なのですが、これがなかなか難しい。ついつい、自分の価値観が正しいと思ってしまうからです。

実際、この傾向は成功体験の多いベテランによく見られます。一斉を風靡した建売業者さんはその典型。ワンマン社長の会社では、未だに社長の好みで家をつくることが当たり前のように行われています。そんな会社の将来は・・・

そこで理解して欲しいのが、世代間の違いです。戦後70年。今、住宅を購入する世代は6つの世代にわけられます。まずは、それらの世代の違いを理解しましょう。

●団塊世代=60代(1947〜51年生まれ)
●ポパイ・JJ世代=50代半ば〜60代前半(1952〜60年生まれ)
●新人類世代=50歳前後〜半ば(1961〜65年生まれ)
●バブル世代=40代半ば〜後半(1966〜70年生まれ)
●団塊ジュニア世代=30代前半〜40代半ば(1971〜82年生まれ)
●さとり世代=20代前半〜30代前半(1983〜94年生まれ)

これらの世代の特徴は、

●団塊世代=人数が多く競争意識が強い。「封建性」と「革新性」の2つが共存している。
●ポパイ・JJ世代=「自分は自分、他人は他人」という価値観。子どもや他者に理解力あり。
●新人類世代=幼少期に高度成長。「楽しいこと」が最上の価値。自由で軽やか。上下関係が希薄。
●バブル世代=苦労なく正社員に。「万能感」が強く、自分を大きく見せる。恋愛の力関係が男女逆転。
●団塊ジュニア世代=上の世代の価値観に疑問。「裏切られた感」「被害者意識」が強い。
●さとり世代=周囲への「過剰な気遣い」「同調圧力」。異性より同性重視。「恋人いない」が過去最高。

そして、これらの世代の消費のポイントは、

●団塊世代=「孫」「仲間」「夫婦エスコート」に金を使う。
 「新発売」「日本初」「世界初」に弱い、新しいもの好き。
●ポパイ・JJ世代=好みが多様化。
 「選択肢が多い」「生活・人生を楽しむ」が響くフェイスブック大好き。
●新人類&バブル世代=見た目に金をかける。
 教育もブランド志向。狙いは「仲間消費」(仲間ゴルフや女子会など)
●団塊ジュニア世代=消費は堅実(ケチ)。
 「自己啓発」「自分探し」「海外志向」が響く。狙いは「母娘消費」「三世代消費」
●さとり世代=安くてそこそこよいモノで大満足(背伸びしない)。
 狙いは「SNSで話題にしやすい商品」

このように世代によって商品に求めるものは大きく違ってきます。つまり、売れる建売住宅をつくるには、ターゲットにあった価値観の家をつくること。そのためには、ターゲットの価値観をじっくり研究することが大切です。

あなたは、ターゲットの価値観をちゃんと理解していますか?
思うように売れないのは、そこが理解できていないからかもしれませんよ。

 

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