不動産会社が知っておくべき商品認知度と値下げの関係。

不動産マーケティング

不動産会社が知っておくべき商品認知度と値下げの関係。

多くの不動産会社、建売業者さんは、売れなければ値下げすればいい、価格さえ下げれば売れる、と思っています。そして、たいてい売れ行きが悪いとその信念に従って値下げをするのですが、それでも売れない…という現実にぶち当たります。そして、更に値下げを繰り返す。赤字になっても値下げを繰り返す。そして、精神的にも経済的にも追い詰められる…そんなことを繰り返しています。

確かに、値下げをすれば売れることも多いでしょう。赤字になるほど値下げすれば、売れるかもしれませんがそれでは何のために事業をしているのかわかりません。では、効果のある値下げと効果のない値下げには、どのような違いがあるのでしょうか?値下げしてすぐに売れる物件と値下げしたのに売れない物件。その違いがわかればムダな値下げをしなくてもすみます。

その答えを知る手がかりは、商品認知度です。あなたの物件がどの程度お客様に認知されているかによって、値下げが成功するか失敗するかが決まるのです。

商品認知度には5つの段階があります。

第一段階は、見込み客は、商品を全く知らない。
欲しいとも思っていないし、その必要性も感じていない。
第二段階は、見込み客は、商品の必要性は感じているが、
あなたの商品がその必要性を満たしてくれることに気づいていない。
第三段階は、見込み客は、商品の機能を必要としているが、あなたの商品は知らない。
第四段階は、見込み客は、商品のことを少しは知っているが、欲しいとは思っていない。
第五段階は、見込み客は、すでに商品のことを知っているし、欲しいと思っている。

すべてのお客様はこの5つの段階のどこかにいます。
そして、値下げが効果を発揮するのは第五段階にいるお客様。

あなたの建売住宅の存在を知っていて、必要性もその家の価値も理解し、欲しいと思っている。でも、価格が高いので躊躇している…そんなお客様なら値下げは効果的。価格だけがネックなのですから値下げすればすぐに売れます。

しかし、それ以外の段階のお客様はそもそもあなたの建売住宅を欲しいと思っていないお客様。存在すら知らない、価値もわかならい、そんな人に値下げを提案してもそもそも欲しいと思っていないので食いついては来ません。

つまり、値下げを効果的なものにするには事前にお客様の商品認知度を第五段階まで引き上げておくことが重要。広告や営業マンを通じてお客様の欲求を高めておくことが重要だということです。それができていないと、値下げしても効果はありません。ただ単に、お金をドブに捨てるだけです。

人は、どんなに安くても欲しくないものにはお金を払いません。
それは、きっとあなたも経験したことがあるはずです。

大切なことは、値下げの前にあなたの物件の魅力を十分に伝えること。
ひとりでも多くの人に、広告や営業マンを通じて、あなたの物件の魅力を伝えること。商品の認知度を上げることです。それが出来ていないと値下げはあなたの首を締めるだけです。
ご注意ください。

 

ピックアップ記事

  1. 自動車メーカーに学ぶ、売れる新築一戸建てのつくり方。
  2. 建売会社がホームページをつくる前に考えるべきこと。
  3. 真面目な不動産業者が陥る成功法則の罠。
  4. 不動産を早く売却するコツは値下げより価値の値上げ!
  5. 不動産会社の売上を確実にアップさせる社会的証明とは?

関連記事

  1. 建売会社がムダな値下げをしないためにやるべき調査とは?

    不動産マーケティング

    建売会社が「ムダな値下げ」をしないためにやるべき調査とは?

    「家を売るのは難しい…」特に、在庫物件で苦労している時ほどそう思うこと…

  2. 値下げ前にやるべきこととは?

    不動産マーケティング

    あなたが値下げ前にやるべきこととは?

    中小の建売業者が真似してはいけない悪習があります。 それは、安易な…

  3. 不動産マーケティングの常識「1:19:80の法則」とは?

    不動産マーケティング

    不動産マーケティングの常識「1:19:80の法則」とは?

    あなたは、1:19:80の法則を知っていますか?これは、商品に対する見…

  4. 難しい専門用語が売上を落とす!

    不動産マーケティング

    難しい専門用語を使えば使うほど売上は落ちる!

    先日、インターネットを見ていたら面白い記事がありました。 それはア…

  5. 苦戦必至エリアで勝つために必要なこと。

    不動産マーケティング

    苦戦必至エリアで勝つために必要なこと。

    売れ行きを左右する最も大きなものは、需要と供給のバランスです。 …

  6. 不動産広告は、目立ってなんぼ。

    不動産マーケティング

    不動産広告は、目立ってなんぼ。

    71.6倍。これは、ここ8年間で増えた「あるもの」の量です。何かわ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 不動産販売の成約率を上げたいならこれを伝えろ!
  2. 日当たりの悪い家の売り方。
  3. 売れ続ける不動産会社になるために必要な土壌とは?
  4. 儲かる建売会社になるための究極の決断とは?
  5. これからの不動産会社経営は悲観主義で考えろ!
  1. これでもパワービルダーと闘いますか?

    不動産会社経営

    これでもパワービルダーと闘いますか?
  2. 不動産会社の経営に特効薬を求めてはいけません。

    不動産会社経営

    不動産会社の経営に特効薬を求めてはいけません。
  3. 売れる建売会社になりたいならライバルを丸裸にしろ!

    不動産マーケティング

    売れる建売会社になりたいならライバルを丸裸にしろ!
  4. プレミア消費

    不動産マーケティング

    中小建売業者が狙うべきプレミア消費層とは?
  5. 不動産会社経営「もうはまだなり、まだはもうなり」

    不動産会社経営

    不動産会社経営「もうはまだなり、まだはもうなり」
PAGE TOP