中小の建売業者が真似してはいけない悪習があります。
それは、安易な値下げ。
一定期間売れなければ値下げして売ればいいという、安易な値下げです。値下げ自体が悪いと言っているのではありません。値下げするための環境を整えていないのに、値下げすることが悪いのです。
建売業界というのは、ほとんどと言っていいほど、パワービルダーの販売手法を踏襲しています。売り出し時は、少し高めに価格設定して、売れなければ徐々に値下げしていく。そんなやり方が横行しているのですが、私たちコンサルタントから見るとそれは無意味にお金をドブに捨てているようなもの。自ら得られる利益を少なくしているとしか思えません。
値下げには、効果的な値下げとムダな値下げがあります。効果的な値下げというのは、お客様が欲しいのに価格が高くて買えないという状況を作り出してからの値下げ。そんなタイミングで値下げをすると効果が出ます。
それに対してムダな値下げというのは、お客様が欲しいと思っていない段階での値下げ。そもそも欲しいと思っていないのですからどれだけ値下げしてもお客様の購買意欲は変わりません。まさに、ドブにお金を捨てている状態です。
ではどうしたら効果的な値下げができるのか?
それには、お客様の欲求を高める努力が必要です。とりわけ重要なのが認知という作業です。簡単に言えば、あなたの物件の存在を知らせるという作業。売れない物件はこの作業がほとんどできていません。
認知を徹底させるには広告宣伝活動が必要なのですが、これが不十分だとお客様にあなたの物件が売り出されていることすら伝わりません。もちろん、認知だけでは売れません。物件の存在を知らせて(認知)、次に興味を持ってもらい、欲しくなってもらうという作業が必要です。
それをするのが広告宣伝活動。インターネットはもちろんですが、近隣へのチラシ広告やポスティングは必須です。それをしないで値下げをしても無意味な値下げになるだけ。本来売れる価格より安く売ってしまうだけです。
もちろん、広告したからと言って必ず結果が出るとは限りません。結果を出すには広告の技術も必要ですし、元々の商品企画の是非もあります。しかし、その技術を試行錯誤しながら学ばなければいつまで経っても無駄な値下げで本来得られる利益をドブに捨てるだけ。
まずは、値下げする金額の2割だけでも広告宣伝費に当てましょう。そして、値下げしないで売れる技術を磨きましょう。そうすると、お金だけでなく、ノウハウも蓄えられます。お試しください。
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