不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。

不動産広告

不動産広告、インターネット至上主義の落とし穴。

先日、顧問先からこんな相談を受けました。それは、一生懸命、広告しているんだけどなかなか売れない、というもの。従業員2人だけの小さな建売業者さん。社長と専務二人で仕入れと企画を行っています。

地元で古くからやっている業者さんで土地の仕入れは比較的うまい方。販売に関しては、地元の仲介業者と大手不動産会社にまかせています。以前は、広告宣伝不可という昔ながらのスタイルでやっていたのですが、私がアドバイスするようになってからは、一定期間を過ぎた物件はすべて広告宣伝可に変更。その戦略がうまく当たって、一気に不良在庫が処分できました。

それ以来、積極的に情報を公開するようになったのですが、それでも売れない物件があるというのです。確かに、その物件は地元業者によってSUUMOで広告されていました。他にも、地元の仲介業者のホームページにもたくさん掲載されていました。それにもかかわらず・・・売れない。もっと値下げすべきなのだろうか。と、心配しているのですが、私からすれば、まだまだ広告宣伝という点では十分ではありません。

広告宣伝というものの本質をよく知らない人は、ちょっと広告しただけで、すべての人に情報が伝わると考えてしまいます。しかし、これが大きな間違い。ちょっとやそっとの広告では、あなたが望む人に情報は伝わらないのです。

そもそもあなたの物件を必要とする人がインターネットを利用しない人であれば、SUUMOやホームページの広告は意味がありません。インターネットを利用しない人には新聞折込チラシやポスティング、現地看板などで知らせるしか方法はないのです。インターネットはあくまで広告媒体のひとつ。絶対ではありません。

多くの不動産業者が、これからはインターネットの時代だ、インターネット広告を制するものが業界を制す、のようなことを言っていますが、これは大きな間違い。インターネットも有力な手段ですがそれ以外にも広告宣伝の方法は山ほどあります。逆に、インターネットだけに依存することの方が危険。インターネットに掲載しただけで、すべての人に広告した気になってしまうからです。

人にはそれぞれ得意な情報収集の手段があります。インターネットを利用する人、紙媒体を利用する人、口コミを利用する人。だから、私たちはそれぞれの人に合った情報の発信が必要なのです。

大切なことは、広告媒体をひとつに絞らないということ。インターネット、新聞折込チラシ、ポスティング、現地看板は最低限抑えましょう。その上で、反応をみながらお客様に伝えるメッセージも変えていくのです。

広告は簡単ではありません。しかし、広告が自由に扱えるようになった時、あなたのビジネスは大きく飛躍します。まずはいっぱい広告しましょう。そして、たくさんの失敗をしましょう。そうすることで徐々に広告の技術は磨かれていきます。お試しください。

 

ピックアップ記事

  1. 売れる不動産会社になるためにマーケティングが必要な理由。
  2. パワービルダーと差別化する超簡単な方法。
  3. 建売会社経営、ビジネスとギャンブルの違い。
  4. バブル世代の価値観が通用しない理由。
  5. 不動産売却、売主にとっての理想的な状態とは?

関連記事

  1. ご存知ですか?不動産の新聞折込チラシの反響が少ない理由。

    不動産広告

    ご存知ですか?不動産の新聞折込チラシの反響が減った本当の理由。

    先日、新築一戸建てを分譲している業者さんから広告についての相談がありま…

  2. あなたは不動産広告の知識に自信がありますか?

    不動産広告

    あなたは不動産広告の知識に自信がありますか?

    建売業者さんにもいろんなタイプがあります。パワービルダー出身の人もいれ…

  3. 不動産広告は3ヒット理論でつくれ!

    不動産広告

    不動産広告は「3ヒット理論」でつくれ!

    仕事柄、切羽詰まった不動産会社からの問い合わせも時々あります。 …

  4. 建売業者必読!不動産広告の有効リーチとは?

    不動産広告

    建売業者必読!不動産広告の有効リーチとは?

    「広告を出しても反応がない・・・」仲介業者からよく聞く言葉です。 …

  5. あなたの不動産広告の知識は30年前より進化してますか?

    不動産広告

    あなたの不動産広告の知識、30年前より進化してますか?

    何かの記事で読んだ話ですが、とても示唆に富むたとえ話なのでみなさんにも…

  6. 不動産広告にマイナス表現は必要か?

    不動産広告

    不動産広告にマイナス表現は必要か?

    ある建売業者さんから届いたクレーム。完成しても売れない在庫物件のために…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. アラサー世代が好むインテリアとは?
  2. 高額な新築分譲住宅を売るための価格の壁の壊し方。
  3. あなたの建売住宅、まぐれで売れていませんか?
  4. 不動産経営者が乗り越えなければならない4つのステージとは?
  5. 不動産集客はGISポスティングの時代。
  1. 大きく成長する建売会社になるための企業理念のつくり方。

    不動産会社経営

    大きく成長する建売会社になるための企業理念のつくり方。
  2. 不動産営業マンは見た目が9割!?

    不動産会社経営

    不動産営業マンは見た目が9割!?
  3. なぜ能力のある不動産会社の社長ほど成功できないのか?

    不動産会社経営

    なぜ能力のある不動産会社の社長ほど成功できないのか?
  4. 不動産会社がホームページ制作会社に騙される最大の理由。

    不動産会社経営

    不動産会社がホームページ制作会社に騙される最大の理由。
  5. 中小建売業が陥る、間違いだらけの成功法則。

    不動産会社経営

    中小建売業者が陥る、間違いだらけの成功法則。
PAGE TOP