不動産業界に異業種から「黒船」がやって来た!

不動産会社経営

不動産業界に異業種から「黒船」がやって来た!

家電量販店最大手のヤマダ電機が不動産事業に参入することを発表しました。記事によれば、完全子会社を通じて賃貸物件や不動産売買を仲介。グループ全体の強みを生かし、リフォームや金融相談といった総合的なサービスを提案していくと云います。

6月に設立した完全子会社のヤマダ不動産を「インテリアリフォームヤマダ」内にコーナー出店し、グループ会社が手掛ける一戸建て分譲物件や土地情報を提供するほか、土地購入者には子会社のヤマダ・エスバイエルホームやヤマダ・ウッドハウスに関する情報を提供。

更に、ファイナンシャルプランナーを配置して、グループ会社の住宅ローンも提案。独自のポイント制度を活用したサービスで顧客満足度を高めるそうです。

ヤマダ電機は2011年に住宅事業に参入。「スマートハウス・リフォーム事業」は現在売上高の1割を占めています。その上、4月には住宅ローン事業にも参入済み。金融子会社のヤマダファイナンスサービスを通じて「ヤマダフラット35」や、つなぎ融資のための「ヤマダフラットつなぎ」、低金利での借り入れを促す「ヤマダリフォームローン」の販売をはじめています。

ヤマダフラット35の魅力は、手数料をポイント還元分を含めて国内で最も低い水準に設定している点。ヤマダグループで住宅購入するメリットを強調しています。将来的には他社で住宅購入した顧客にも販売できるようにしフラット35市場で占有率1位を目指すと云いますからかなり本気です。

まだまだ新規参入したばかりで実感はないと思いますが、この記事は不動産業界にとって大きな転機を表していると私は思います。なぜなら、異業種参入の幕開けだからです。

家電業界といえば、価格競争のもっとも厳しい業界。そんな血で血を洗う業界のトップ企業が不動産業界に本格参入するということは彼らのやり方がそのまま導入されるということ。異業種の常識が持ち込まれるということです。その上、彼らは大企業。資本力もスタッフも違います。

実際、今回のヤマダ電機の参入もかなり周到にプランが練られているのが特徴。不動産事業に参入する前に、どこよりも魅力的な金融商品(ヤマダフラット35)を開発したり、新店舗にファイナンシャルプランナーを配置するなど、やることがプロ。不動産業界を攻略する戦略がしっかり練られています。

もちろん今すぐ彼らが脅威となることはありません。しかし、何もしないで手をこまねいているとあっという間に市場を奪われるのも事実。彼らがあなたの市場を侵食する前に対策を練ることです。

まずは、じっくり自社の販売戦略を分析しましょう。今までのやり方で異業種からの「黒船」に対抗できるか、真剣に考えてみましょう。その上で、どんな対策をとればいいのか考える。考えて、考えて、考え抜く。そして、どうしても考えが及ばなければ対策を持っている人を利用することです。ヤマダ電機の参入を「大したことない」と見るか「大きな転機」として見るかはあなた次第。数年後、結果がわかります。

 

 

ピックアップ記事

  1. なぜ不動産会社は広告が必要なのか?その本質的な理由。
  2. 不動産ビジネスを最短距離で成功させるには何が必要か?
  3. 売れる不動産会社と売れない不動産会社の違い。
  4. 売れない物件を売れる物件に変える「青臭い法則」。
  5. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。

関連記事

  1. 大手不動産会社と中小零細建売会社の戦略の違い。

    不動産会社経営

    大手不動産会社と中小建売会社の戦略の違い。

    三井不動産販売や野村不動産といった大手建売業者と中小建売業者の違いにつ…

  2. なぜあの不動産会社はレクサスとプリウスを使い分けるのか?

    不動産会社経営

    なぜあの新築分譲会社はレクサスとプリウスを使い分けるのか?

    以前お会いしたある新築分譲会社の社長の話。その新築分譲会社は小さな…

  3. 儲かる建売会社になるための究極の決断とは?

    不動産会社経営

    儲かる建売会社になるための究極の決断とは?

    もしあなたが長期的に成功する建売会社になりたいのなら、間違ってはいけな…

  4. ユニクロに学ぶ。成長する経営者の条件。

    不動産会社経営

    ユニクロに学ぶ。成長する経営者の条件。

    「小さい頃の僕はとにかく内気で大人しい少年だった」 「早稲田大学に…

  5. これだけでOK!ライバルに打ち勝つ戦略の立て方。

    不動産会社経営

    これだけでOK!ライバル業者に打ち勝つ戦略の立て方。

    コンサルティングをしているとよく質問されるのが、「ライバルに勝つにはど…

  6. 売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    不動産マーケティング

    売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    高く売るにはどうしたらいいか? 高く貸すにはどうしたらいいか?…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 購買心理で考える、売れるオープンハウスの開き方。
  2. 540円で掴める!女ゴコロを魅了する建売住宅のつくり方。
  3. なぜ流通経路を強化するだけで不動産は売れるのか?
  4. 不動産売却、安売りと安さ感の違いとは?
  5. 驚異的な売上を達成した住宅業界の伝説のキャッチコピーとは?
  1. 価格競争に巻き込まれない新築分譲住宅のつくり方。

    不動産マーケティング

    価格競争に巻き込まれない新築分譲住宅のつくり方。
  2. 不動産広告はwantsを引き出せ!

    不動産広告

    不動産広告は、Wants(ウォンツ)を引き出せ!
  3. プレミア消費

    不動産マーケティング

    中小建売業者が狙うべきプレミア消費層とは?
  4. mcd

    不動産マーケティング

    「お客様の声」を信用するな!?
  5. 建売会社はマンション客を狙え!

    不動産マーケティング

    建売会社はマンション客を狙え!
PAGE TOP