建売業者さんの売れない言い訳の一つに、「うちは有名じゃないから・・・」というものがあります。
小さな会社だから、知名度がないから、だから売れない、と考えてしまうようです。その結果、大手の仲介業者に頼りきりになったり、大手のハウスメーカーを利用して建物を建てたりする会社があるのですが、大ていはうまくいきません。
うまくいかない理由は幾つかあるのですが、そのうちの一つに、価値観と客層の違いがあります。どういうことかというと、まず、今の主要な購買層はブランド志向ではないからです。
確かに、どんな世代でもブランド志向の人はある一定数いますが、世代全体としてみるとその数が少ないのが今の購買層です。建売住宅のメインターゲットである30代前半から40代前半はいわゆる団塊ジュニアを呼ばれる世代。バブルが崩壊して就職氷河期を経験した世代です。
豊かな経済成長期に幼少時代、学生時代を過ごし、激しい受験戦争を経てようやく大学に進学したにもかかわらず、いざ就職となった途端、一気に景気が悪くなり就職が厳しくなってしまった。そんな時代背景のある人たちです。
平成不況という突然訪れた未曾有の出来事によって、経済が右肩上がりの時代を過ごした上の世代の価値観に疑問を抱き、新たな価値観を模索している世代ともいえます。
それに対して、現在、建売会社の経営者の世代は、40代半ばから後半の経営者はバブル世代、50代前後から半ばの経営者は新人類世代と呼ばれた、幼少期に高度経済成長を経験しバブルも謳歌した世代。明らかに建売住宅の購買層である団塊ジュニア世代とは、その時代背景が違います。
だから、自分たちの価値観で商品を企画したり販売しようとすると、間違えます。とりわけ、ブランド志向が強い経営者は要注意。なぜならブランド志向の対極にいるのが団塊ジュニア世代。あなたが売ろうとしている客層だからです。
大切なことは、あなたが売ろうとしているお客様の価値観を理解すること。そしてその価値観に合った商品を企画すること。あなたの価値観を押し付けることではありません。そこのところくれぐれもご注意ください。
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