売れない不動産を売る!それがコンサルタントの仕事と思っている人がいますが、それは間違い。正確には、売れない不動産を売れるようにする確率を上げるのがコンサルタントの仕事です。正直言って、どんな不動産でも売れるコンサルタントはいません。
確かに私も、半年以上売れなかった新築一戸建てを販売図面だけを変えて2週間で売った経験があります。しかしそれは、稀なケース。いつも起こせることではありません。考えてもみてください。いつでもそんな魔法のようなことができれば今頃コンサルタントなんてしていません。きっとハワイで海を見ながらビールでも飲んでいることでしょう。
私たちコンサルタントにできることは売れない理由を探して改善すること。そして売れる確率を少しでも上げることです。その際に新築分譲会社の方にもわかっておいてほしいことは、通常は売れない理由はひとつではないということです。だから、どれかひとつを改善してもそれだけですぐに効果が現れるとは限りません。売れない理由をすべて取り除いてはじめて売れるようになる物件もあるからです。
そこで今回は、私が売れない物件を売るために、どこに注目するのかをお教えしましょう。それが、次の3つのポイントです。ひとつ目は、商品。2つ目が、ターゲット。そして3番目が、流通ルート。この3つです。
商品については、まず最初に「その物件の魅力は何か?」を考えます。もっとも魅力的なセールスポイントを探すのです。次に「その物件の魅力を一番感じてくれるお客様は誰か?」を考えます。そして最後に「そのお客様はどのようなルートでその物件の存在を知るのか?」を考えます。これを現在の状況と比較してみるのです。
物件を売るには、望むターゲット(その物件の魅力をもっとも感じてくれるお客様)に、物件の魅力をわかりやすく伝える必要があります。逆に、それができないとどれだけ物件が良くても売れません。ただ、私たちに相談がある時はすでに物件が完成している場合がほとんど。ですから仮に、商品(物件)に問題があったとしても改善することはできません。
つまり、私たちにできることは
・どのセールスポイントを選ぶのか
・そのセールスポイントに最適なターゲットは誰か
・ターゲットにどのような媒体、流通ルートを使ってメッセージを届けるか、を考えることです。
これらの答えがうまく噛み合えば冒頭のように半年売れない物件でも2週間で売れることもあります。逆に、これがうまく噛み合わなければいくら物件が良くてもいつまでたっても売れません。大切なことは、誰に、どんなメッセージを、どのような媒体・流通ルートで伝えるか。これだけ。シンプルだけど難しい答え探しです。
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