先日、ある顧問先の社長さんから社員さんの書いたレポートを見せられました。
思うように売上が上がらないことに対して、なぜ売れないのかを、レポートにまとめて提出させたそうです。
「こんな甘いことを言ってるんだよ」と私に同意を求めたのかもしれませんが、正直いって、社員さんの言っていることは正論。その会社の抱える問題点を的確に表していました。
まぁ、これはこの会社に限ったことではありません。他の会社も同じ。仕事柄、いろんな会社の若い社員の方とも話をすることが多いのですが、年齢に関係なく、みんな会社の問題点をよく把握しています。むしろ、把握していないのは社長。裸の王様になっているのは社長です。
その結果、どうなっているか?
売上が上がらないだけでなく、人もどんどん辞めていきます。
今回レポートを見せてくれた会社も人の流出は激しく、ここ数ヶ月で3人ほどの社員が辞めていきました。本来であれば、なぜ辞めたのかの検証をしなければいけないのですが、この社長はそれをしません。
社員に指摘されても、どこ吹く風。私に指摘されても、右から左。また新しい社員を募集すればいい、と思っています。その結果、ただでさえ苦しい資金繰りがより厳しくなるだけです。
実際、2年ほどいた社員はその間、売上ゼロですから全くの赤字。払った給料も採用にかけた広告宣伝費も全てムダなお金。お金をドブに捨てたのと同じです。にもかかわらず、問題点を解決しないまま新たに社員を雇うというのは愚の骨頂。また同じ入社と退社が繰り返されるだけです。
社員は勝手に育つものではありません。会社が育てるもの。会社の雰囲気、環境が育てるものです。だから、まずは育てる環境を整備すること。自社で育てられなければプロを雇うことです。そうしない限り、社員は育ちません。
社員が育たないということは、会社が成長しないということ。今いる優秀な社員が会社を去ってしまったらおしまいということです。そうならないためにも、まずは社長の考え方を改めましょう。社員の言葉に耳を傾けましょう。そして、小さな一歩でもいいから社内改革に取り組むことです。それができた時、会社は大きく変わりはじめますよ。
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