社長の指示は唐突だ、と少なくとも社員は思っています。社長とは24時間仕事のことを考える生き物。だから、社長が出す指示は自分のなかでは一貫性があるのですが、社員は違います。社員は、24時間仕事のことを考えてはいません。だから社員なのです。
それをついつい混同してしまうのが社長。そのため、自分のなかで「閃き(ヒラメキ)」があると、一気に社員に指示を出してしまいます。で、どうなるか?社員は混乱してしまう。右往左往して社長の指示が全うできないという結果になってしまうのです。
では、どうしたらいいのでしょう?
答えは簡単です。社員に出す指示を一つに絞ること。一回の指示は、ひとつだけにすることです。
あなたは、人間の集中力がどれくらい続くか知っていますか?
なんと、たったの「8秒」だそうです。(2013年現在 マイクロソフト調べ)ちなみに、金魚の集中力は「9秒」。つまり、今の現代人は金魚よりも集中力が保てなくなっているということです。
しかも、2000年の調査では現代人の集中力は12秒あったので、わずか13年間で30%以上も集中力が落ちた計算になります。原因はいろいろ考えられますが、集中力が落ちたことは事実。それを踏まえて指示をしないと、どれだけ指示しても社員の行動は変わりません。
その結果、業績が改善されないだけでなく、社長自身が社員に対して期待できなくなります。そして、うちの社員はダメだ・・・と嘆くようになるのです。
もちろん、社員も同様です。社長の指示はいつも突然。唐突に指示を出しておきながら「なぜ、すぐに指示通りできないんだ」と怒られる。そして、次第に恐怖政治が会社を襲い、仕事がつまらなくなる。そして現場は混乱し、業績が下がるのです。
もちろん、たくさんの指示を出さなければならないこともあるでしょう。怒らなければいけないこともあるでしょう。しかし、社長の目的は指示を出すことではありません。怒ることでもありません。業績を上げることです。だとすれば、ステップを踏むことが大事。急いては事を仕損じます。
金魚より集中力がないのが現代人です。そんな現代人をどうやって活用するかが社長の力量です。まずは、一回あたりの指示はひとつにしましょう。そして、それができたらもう一つ指示を与えましょう。それが、できる社長の条件です。お試しください。
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