以前、ある経営コンサルタントがこんなことを言っていました。それは、
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
調べてみるとこれは、ドイツの初代宰相ビスマルクの言葉。正確には、「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」また、ビスマルクは、「賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず」とも語ったそうです。
賢明な者は他人の言動や考え方からも学び、大きく成長するが、独りよがりな愚か者は他人の言動や考え方を受け入れず、成長しない、と言いたかったのかも知れません。
コンサルタントをしていると多くの経営者に会います。みなさんそれなりのビジネスをしてきた方ばかり。それなりの経験も実績もある方ばかりです。そんな経営者を見てきて思うことは、その人の伸び代です。この人は伸び代があるなぁ、と感じる人もいれば、この人はこれが限界かなぁ、と感じる人もいます。
その差は、学び方です。伸び代がないなぁと感じる人の学び方は、自分でやってみないとわからないという人。すべてを自分でコントロールしようとする人です。
社長が全てを取り仕切る、自分がやらないと気が済まないという経営者は、成功しないとは言いませんが、成功するためのスピードが遅くなります。または、成功するために多大なリスクを負うことになります。
そりゃそうです。経営者はスーパーマンではありませんから得意なこともあれば、不得意なこともあります。不得意なこと(知らないこと)まで自分でやるわけですから上手くいかないことがあるのは当たり前。失敗するのは当たり前だからです。
それに対して、伸び代がある人は、他人の意見を素直に聞ける人。他人の経験から学べる人です。そんな人は、成長のスピードが格段に早くなるだけでなく、リスクも減ります。
何しろ、他人が失敗した道を避けて通れるのですから、これ以上早く安全にゴールにたどり着く方法はありません。それなのに、素直に人の意見を受け入れられない経営者があまりにも多い。
裏を返せば、素直に他人の経験から学べる経営者は圧倒的な結果が出せる経営者になれる確率が高いということ。自分に能力がなくても、他人の能力を上手く利用することで名経営者になれるということです。
まずは、自分で全てを取り仕切る、自分で全てをやるという習慣を捨てましょう。それだけで、今までの苦労から解放されます。こんなはずじゃなかった・・・という人生から解放されますよ。
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