建売業者さんからの相談で特に多いのが、完成してもすぐに売れない・・・というもの。
即日完売はおろか、完成して半年にもなるのに売れない・・・そんな相談が少なくありません。
理由はいくつか考えられるのですが一番多いのが、仕掛けが遅いというもの。
売り出すタイミングが遅いということです。建物が完成してきれいな状態になってからじゃないと売り出さない。開発現場では開発工事が終わって、ある程度現場がきれいになってからじゃないと売り出さない。そう決めている業者さんもあります。
理由は?と聞くとその方が成約する確率が高いからという答えがほとんど。
工事途中の現場ではイメージがわかないからせっかく買う気のあるお客様が逃げてしまうという理由です。なかなか説得力のある理由ですがマーケティングという観点から言えば半分正解で半分は不正解。
確かに、工事途中の現場は購買意欲が湧きません。
だからといって営業(告知)をはじめない方がいいかというとそうではありません。早い段階で告知という作業ははじめた方が効果的です。
では、誰に効果的かというと購入を決定するのに時間のかかるお客様です。
一般的にチラシや広告などで100件の問い合わせがあるとすると、すぐに購入してくれるお客様は、約1%。1人だけです。それに対して今すぐではないけどそのうち購入しようと思っているという見込み度の高いお客様は、約19%。それ以外の約80%のお客様は購入する見込みの低い、冷やかし客です。
今すぐ購入してくれるお客様に対してはきれいな現場を見せるのは効果的です。工事中の現場を見せて購買意欲が下がてしまっては元も子もないというのもわからないではありません。しかし、それは1%のお客様に対してだけ。実際、その1%のお客様も実物を見ても購入してくれるかどうかはわかりません。それに対して今すぐではないけど購入する意欲のある見込み度の高いお客様は、その約19倍。それらのお客様は、機が熟せば購入してくれる可能性の高いお客様です。
お客様の性格は十人十色。いい物件があればすぐに決断できる人もいれば、どんなにいい物件でもすぐには決断できない人もいます。決断するのに両親に相談しなければならないという人もいれば、他の物件とじっくり比較検討してからじゃないと購入できないという人もいます。そんな人たちに必要なのは、時間です。
特に急いでいるわけじゃないけど、」自分で納得できたら購入するという人が今すぐ客の19倍いるということです。その人たちは、建物が完成してもすぐには決断しません。それがどんなにいい物件だったとしてもです。とにかく彼らに必要なのは時間。自分を説得するための時間です。
だとすれば売主がすべきことはひとつ。
早い段階から彼らに情報を提供すること。
どんな物件が建つのか、いくらで建つのか、それを購入するとどのように生活が変わるのか。彼らが決断しやすくなるような情報を早めに提供することです。そうすれば建物が完成するころには彼らの気持ちも熟してきます。気持ちが熟したらあとはキレイに完成した物件を見せるだけ。そうすれば営業しなくても売れていきます。
大切なのは、早めに仕掛けること。
先んずれば人を制す、ですよ。
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