どうすれば不動産会社の社内改革は成功するのか?

不動産会社経営

どうすれば不動産会社の社内改革は成功するのか?

経営者にとって、売上アップは避けて通れない課題。だから、真剣。もちろん、従業員にとっても売上アップは給料やボーナスに影響するので関係ないとはいえません。しかし、その真剣度合いは、違います。

コンサルティングの現場でよくあるのが、従業員の抵抗。現場担当者の抵抗もあれば社長以外の役員の抵抗もあります。売上を伸ばしたい、会社を良くしたい、という共通の目標があるにも関わらずいざ、具体的な作業となると抵抗勢力に早変わり。できない理由を並べ立てて抵抗する人がいます。

以前もこんなことがありました。
ある建売業者さんの社長から連絡があり、販売図面の見直しをすることになりました。社長は二代目。研究熱心な社長でインターネットなどにも詳しい。実際、ホームページに対する知識も豊富でいろんなセミナーにも参加している勉強家。打ち合わせの時はとてもいい雰囲気だったのですが、途中で風向きが変わりました。それが、担当者です。

初回の打ち合わせは社長としたのですが、それ以降は営業部長と打ち合わせをして欲しいというのです。営業部のある会社やそこそこ大きな会社の場合は、よくあることなのですが、この引き継ぎが上手くいかないことが多い。よほどワンマン社長の会社か、担当者が謙虚な人でないと、うまくいきません。今回はうまくいかないケースでした。

うまくいかない最大の理由は、そもそも営業部長は販売図面を変更したところで売れるようになるとは思っていないことでした。基本的に営業とは苦労して売るものという考えの人。自分たちがこんなに苦労しているのに、たかだか販売図面を変えたところで売れるはずはない、と思っているからです。

もちろん、そんな考えでも売れていればいいのですが、現実には完成物件が半年も売れ残っている状態。藁にもすがる思い、で何でも試そうとするのが普通だと思うのですが、これがそうでないことが多い。実際、この営業部長は、新しい販売図面をほんの1週間使っただけで以前のものに差し戻してしまいました。

差し戻した理由は、キャッチコピーが目立ちすぎる、ターゲットが限定されすぎている、文字が多すぎる、等々。要するに、他の販売図面と比べると変わっているということ。目立ちすぎるということです。もちろん、こちらとしては目立つこと、差別化されることを目的につくっているので、そう評価されたことは狙い通りなのですが、この営業部長にはその理屈は通りませんでした。

営業部長が新しいモノを採用したくない理由はいろいろでしょう。

自分の存在価値が低くなる・・・
プライドが許さない・・・
自己否定された気になる・・・等々

でも、売れなければもっと自分の存在価値は低くなるわけです。きっと、この営業部長も新しいモノを取り入れなければならないということは、理屈ではわかっていると思います。しかし、感情的に許せない。特に年齢が高くなるとその傾向は大きくなります。改革には社員全員の協力が必要です。そのためには、まずは、社長が担当になってやるのがベスト。その後に、担当者を置かないとうまくいきませんよ。

 

 

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