売れ行きの悪い物件を抱えた多くの建売業者さんや不動産会社が犯すミスがあります。それは、値下げ物件の売り方。売れない物件を値下げして販売する業者さんは多いのですが、売り方を間違えている業者さんがほとんどです。
たいていの建売業者さんや不動産会社は、安さを強調して売ろうとします。現地に派手な看板やのぼりを立てて、これでもか、これでもか、というように安さを強調します。その様子はまるでスーパーの特売さながら。言葉は悪いのですが、品のかけらもありません。
もちろん、それで反応する人もいないわけではありません。そのやり方をするというのは過去に同じ方法で売れた成功体験があるからでしょう。しかし、そのやり方がベストかというとそうではありません。
なぜなら、売っている商品が「家」という高額商品だからです。確かに、日用品や食品など購買頻度の高い商品ならそんな売り方でもいいかもしれません。価格が安いか高いか、誰でもすぐに判断できるからです。
しかし、「家」のような高額な商品、一生に一度買うか買わないかの商品は、購買頻度が少ないため、その商品が本当に安いのか高いのかわからないのが実態です。それなのに、安さばかりを強調されると人は身構えてしまいます。本当にこの商品は大丈夫だろうか・・・と。つまり、「家」は安さを強調すればするほど不安感が増す商品だということです。
では、どうすればいいのか?
まずは、安さを強調する前に、物件の価値を上げることです。簡単に言えば、価格より高く見える工夫をすることです。3,000万円の物件なら3,300万円の価値があるように見せられないか考えることです。
モデルハウスに家具を置くのも一つの方法でしょう。モデルハウスをピカピカに掃除するのもいいかもしれません。売り出しのチラシをセンスのいいものに変えるのもアリです。要するに、高級感を高めることです。
お客様は安い家が欲しいわけではありません。安くなった家が欲しいのです。
価値=価格 ではなく
価値>価格 となった商品に魅力を感じるのです。
安さを強調する前に、高く見える工夫をしましょう。それが安さを演出する最大の方法です。
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