差別化をしたいけど、どうしたらいいのかわからない・・・という建売業者さんのためにとても参考になる話をご紹介します。この話は、マーケティングの世界では結構有名な話。実際、この手法を利用して地域一番店になった会社もたくさんあります。
その話というのは、アメリカのビール会社の話。1919年。当時アメリカで最低ランクのビールとして、不名誉な名で知られていた「シュリッツ・ビール」の話です。なんと、このビール会社、ライバルが多いビール業界で、わずか半年で最低ランクのビール会社から全米ナンバーワンの地位にまで登り詰めたのです。
サクセスストーリーを体現したような会社ですが、やったことはものすごく単純でした。
それは、“ビールの製造過程を公開した”ただ、それだけだったのです。当時は一般人にとって、ビールの製造工程は未知の世界でした。まるで、「機械と人が連携してビールを作り、テーマパークのような面白さがあった」と言われるほど。その新鮮さと面白さが話題になり、爆発的な人気を博すようになりました。
では、なぜこの会社が公開するまで他のメーカーは製造過程を公開しなかったのでしょうか?それは、当時のビールの製造過程は、どのメーカーもほとんど同じであったため、公開することに価値を感じる人がいなかったからです。シュリッツ・ビールはその隙をついて、我こそはと言わんばかりに、どこよりも早く製造過程を猛アピールしました。それが功を奏したのです。
さすが、成功した会社はやはり目の付け所が違うと思いますが、これって、そのまま建売住宅の販売にも応用できると思いませんか?住宅の建築過程なんてどこも同じと思われている業界で、あえて住宅の建築過程を公開する。完成前の現場を見せることに価値はないと思われている業界で、あえて完成前の建築過程を公開する。
プロから見れば価値のないようなことでもお客様の側から見れば価値のあることもたくさんあります。実際、デパートの実演販売は大人気ですし、自分が買うかもしれない現場の建築過程を見るのは楽しいものです。そして、その建築過程を公開してくれる会社は、誠実で建物にも自信があるのだろうと思ってしまいます。すでに、注文住宅では建築過程をウェブカメラなどでリアルタイムに公開しているところもありますが、建売住宅ではほとんどありません。つまり、ここは”ライバルがやっていない隙間”だということ。チャレンジしてみる価値はありそうです。お試しください。
この記事へのコメントはありません。