中小建売業者が価格競争から抜け出すためのアイデアの見つけ方。

不動産マーケティング

中小建売業者が価格競争から抜け出すためのアイデアの見つけ方。

価格競争から抜け出すためにどうしたらいいか?
その答えを見つけるには、価格競争していない会社を参考にするのが一番です。私が以前から注目している会社のひとつは、旭化成のヘーベルハウス。個人的には好きなタイプの家ではありませんが、私の住んでいるエリアではそこそこ人気があるようです。

近所で売り出されていた4区画の宅地のうち、なんと2区画がヘーベルハウス。決して安くない、いや、かなり高額な家にもかかわらず、この人気ぶりには興味がそそられます。まあ、営業トークがうまいとか、マーケティングの仕組みができているとかというのは、外部からはわかりにくい部分ですが、建物については、ホームページや住宅展示場に行けばある程度わかります。であれば、これを参考にしないのはもったいない。

そっくりそのまま真似するのは問題がありますが、コンセプトを参考にするのは賢い業者だといえるでしょう。そうやって調べてみると、ヘーベルハウスも私たちが思っている以上の品揃えがあるのがわかります。

質実剛健といった外観の建物だけでなく最近ではちょっとオシャレな感じの商品も増えているようで、これなら若い人にも人気があるかも・・・と思えるような品揃えになっています。その中で今回注目したいのが、「STEPBOX(ステップボックス) クロスフロアのある家」。

特徴は、都市部でも日当たりや風通しを得ることができる2階リビングの床をちょうど良いレベル(約80㎝)に下げることで、天井の高いのびのびとしたリビング空間を設けたこと。リビング下(1階)の空間は、床を下げること(約40㎝)で“こもり感”のある隠れ家的な部屋としています。

リビング空間が層をずらして設置されていることで、1階からも2階からも視線が繋がり、コンパクトな家とは思えない広がりを感じることができます。また、全ての空間を仕切りの無い連続空間とすることで、開口部から注ぐ光と風が家中をめぐります。

さらに、1階の各空間は、引き戸で仕切れば落ち着いた個室となり、開ければ大空間に繋がるので、どこにいても家族の気配を感じられる、融通性の高い空間となっています。そのため、家中のあらゆる場所で居心地の良い居場所を見つけることができます。

インテリアについては、今回のターゲット層(子育て世代の30代)に合わせて「カフェミックス」を採用。形式にとらわれず、自分の感性でお気に入りを集め、気楽にくつろげる雰囲気を演出しやすくしています。

コンセプトモデルの延床面積は、118.16m2(35.8坪)ですが、コンパクトな建物とは思えない、豊かな空間を実現しています。ちなみに価格は、3,000万円弱。さすがハウスメーカー。

ここまでの価格は出せないけど、こんな家に住んでみたいという人向けに同じようなコンセプトの建売住宅を考えてはいかがですか?ヒットするかもしれませんよ。

 

ピックアップ記事

  1. 新築分譲住宅、ヒット商品はこうして生まれる。
  2. 自動車メーカーに学ぶ、売れる新築一戸建てのつくり方。
  3. 広告担当者注目!不動産チラシの基本7原則とは?
  4. 選択肢を増やすと売上アップに繋がるのか?
  5. あなたの建売会社が自社営業すべき最大の理由。

関連記事

  1. 不動産マーケティング

    有名建築家の作品なら高くても売れる!?

    先日、クライアントさんのお誘いで埼玉県の、とある建売住宅を見学に行きま…

  2. お金をかけずに不動産を売る究極のテクニックとは?

    不動産マーケティング

    お金をかけずに不動産を売る究極のテクニックとは?

    先日、妻が風邪をひいてドラッグストアに行ったときの話。仕事から帰ってき…

  3. こうすればもっと簡単に売れる建売住宅ができる!

    不動産マーケティング

    こうすればもっと簡単に売れる建売住宅ができる!

    多くの建売住宅を見てきて思うことは、「覚悟」ができていない建売業者さん…

  4. 実は意外と知らない!権威性を高めて売上を伸ばす方法。

    不動産マーケティング

    実は意外と知らない!権威性を高めて売上を伸ばす方法。

    売れないと悩む人の多くは、いい商品をつくればお客様は殺到すると信じてい…

  5. ジャパネットに学ぶ!売れる建売会社になるための3つのポイント。

    不動産マーケティング

    ジャパネットに学ぶ!売れる建売会社になるための3つのポイント。

    ジャパネットたかたが、福岡市に初の実店舗を開設しました。これまでは自前…

  6. 残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    不動産マーケティング

    残念!こんな不動産の値下げは失敗する。

    売れ行きの悪い物件を抱えた多くの建売業者さんや不動産会社が犯すミスがあ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 売れないのは価格のせいではありません。売れないのは…
  2. 不動産売却はインターネットに頼ってはいけない!
  3. 建売住宅、仕入れミスを挽回する企画の立て方。
  4. 不動産ビジネスを最短距離で成功させるには何が必要か?
  5. えっ本当?売れる物件を作りたいならお客様の声を聞いてはいけな…
  1. 売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。

    不動産会社経営

    売れる建売住宅はインテリアコーディネーターがポイント。
  2. 売れる不動産会社をつくるために最も必要なモノとは?

    不動産会社経営

    売れる不動産会社をつくるために最も大切なモノとは?
  3. これだけ知れば大丈夫!売れる建売住宅をつくる公式とは?

    不動産マーケティング

    これだけ知れば大丈夫!売れる建売住宅をつくる公式とは?
  4. 儲かる建売会社へ体質改善しませんか?

    不動産マーケティング

    儲かる建売会社へ体質改善しませんか?
  5. こうすれば不動産も売れる!ポルシェのDM大作戦。

    不動産マーケティング

    こうすれば不動産も売れる!ポルシェのDM大作戦。
PAGE TOP