不動産マーケティング

あなたにもできる「とりあえずオープンハウス戦略」とは?

売れない時代に入ってくるとやたらと増えるのがオープンハウス。中堅の仲介会社を中心に、週末になると、あちこちの完成物件でオープンハウスが開かれます。

と、いっても基本ができているオープンハウスは、ほとんどありません。大抵は、社内にいても仕事がないからオープンハウスでもするか、という程度のもの。捨て看板だけを貼って、たまたまそれを見たお客様を引っ掛けようというものです。

そのため、事前の告知はほとんどなし。オープンハウスの基本中の基本である近隣へのポスティングもやっていない業者がほとんど。彼らは、偶然にかけているのです。

ですから、オープンハウスをやっても売れないと売主が嘆く必要はありません。必要な準備(事前告知)ができていないからです。嘆かなければいけない時は、十分な事前告知を何度もやっているにも関わらず、それでも反応が全く取れない時、その時は次の手段を考えなければいけません。

ただ、それを仲介業者に期待してもムリ。彼らは、せいぜい捨て看板だけでオープンハウスをする程度。ポスティングやチラシなど体やお金を使う作業はしてくれません。

では、どうしたらいいのか?

一番かんたんなのは、売主がオープンハウスすることです。理想としては、事前告知をきちんとやってオープンハウスにのぞむことですが、慣れない仕事ですから腰が重くなってしまいます。その結果、行動できなくなることがほとんど。それよりは不完全でもまずやってみることが大事。完璧な方法でなくて結構ですからまずは行動を起こしましょう。

名付けて「とりあえずオープンハウス戦略」です。

とりあえずオープンハウス戦略とは、文字通りオープンハウスを開催するだけの戦略。週末、現地にいるだけの戦略です。難しいことは何もありません。ただ、来場者があった場合にすぐに見てもらえるよう現地を開けておくという作戦です。

仲介業者と同じように現地周辺に誘導看板を貼って、現地に待機しているやり方。誰でもできます。ただ、ひとつだけコツがあります。それは、現地に行く担当者は、駐車場や玄関付近でじっとしていてはいけないということ。

よくオープンハウスに行くと、営業マンらしき人が、駐車場や玄関付近で来場者を待ち構えている様子が伺えますがあれは大間違い。営業マンの目に威圧されて、気の弱い人は外観だけ見て帰ってしまいます。

正しいやり方は、ドアを開けて、ご自由にご覧ください。としておくこと。営業マンは、お客様が入ってきたら、簡単なあいさつだけして、お客様を気にかけながらも他の作業をしているのが重要です。

いきなりピタっとくっついて商品説明するのはNG。お客様が声がかけられる範囲にいて片付けや掃除をしているのがベストです。そうすることによってお客様は安心して見学ができますし物件の掃除も行き届きます。

実際、ある調査では、同じ条件で掃除が行き届いたお店とそうでないお店について調査したところ、掃除が行き届いたお店の方が、店員が信用されやすい、置かれた製品が好ましく評価されやすい、という結果がでています。つまり、店員がせっせと掃除に精を出していると、店内がきれいになるだけでなく、売上も上がるということです。

これを、建売住宅のオープンハウスでも利用しましょう。週末は、物件掃除の日。と決めて、完成物件でオープンハウスをする。そして、1日かけてじっくり掃除をすることです。

信じるか、信じないかはあなた次第。
でも、やってみる価値はありますよ。

 

ピックアップ記事

  1. パワービルダーと差別化する超簡単な方法。
  2. いつも売れてる建売会社は何が違うのか?
  3. いつまでワンマン経営を続けますか?
  4. 一筋縄では売れない新築分譲住宅の売り方。
  5. 建売業者は売れた理由に執着しろ!

関連記事

  1. 売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。

    不動産マーケティング

    売れる建売会社になるためにお客様に確認すべきこと。

    手前味噌で恐縮ですが、私が他のコンサルタントと違うのは、不動産営業を知…

  2. こうすれば新築住宅は青田で売れる!

    不動産マーケティング

    こうすれば新築住宅は青田で売れる!

    建売業者さんの信じている常識のひとつに、新築住宅は完成してから売れ!と…

  3. あなたの知らない大手ハウスメーカーの本当の客層。

    不動産マーケティング

    あなたの知らない大手ハウスメーカーの本当の客層。

    先日、ある大手ハウスメーカーの担当者と話をする機会がありました。誰もが…

  4. プロダクトアウトの時代からマーケットインの時代へ。

    不動産マーケティング

    プロダクトアウトの時代からマーケットインの時代へ。

    マーケティングを勉強していくと、「プロダクトアウト」「マーケットイン」…

  5. 売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    不動産マーケティング

    売れる不動産会社に必要なのは、捨てる勇気。

    高く売るにはどうしたらいいか? 高く貸すにはどうしたらいいか?…

  6. 建売住宅販売はモノから人の時代へ。

    不動産マーケティング

    建売住宅販売はモノからヒトの時代へ。

    建売業界が抱える問題のひとつに、「お客様の声を聞かない」ということがあ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 間違いだらけの新築住宅の見せ方
  2. 弱点のある不動産の売り方。
  3. 急成長企業に学ぶ、これから売れる新築分譲住宅。
  4. 新築一戸建て会社はゴミの日の法則に学べ。

おすすめの記事

  1. 不動産売却、売れないオーラ出してませんか?
  2. 建売業界に迫る不都合な事実。
  3. 勉強熱心な不動産業者が陥る罠(ワナ)とは?
  4. 新築分譲住宅、お金をかけないで売れ行きを改善する方法。
  5. 不動産会社が陥る、成功体験の罠。
  1. その不動産営業、煽りすぎていませんか?

    不動産マーケティング

    その不動産営業、煽りすぎていませんか?
  2. 新築住宅が青田で売れる!メニューボード大作戦。

    不動産広告

    新築住宅が青田で売れる!メニューボード大作戦。
  3. 中小建売会社でも実践できる一発逆転のサクセスストーリー。

    不動産マーケティング

    中小建売会社でも実践できる一発逆転のサクセスストーリー。
  4. 新築住宅販売、売上アップの肝は流通網。

    不動産マーケティング

    新築住宅販売、売上アップの肝は流通網。
  5. 不動産会社経営の万能薬を探していませんか?

    不動産会社経営

    不動産会社経営の万能薬を探していませんか?
PAGE TOP