ジャパネットたかたが、福岡市に初の実店舗を開設しました。これまでは自前で番組収録用のスタジオは構えていたものの、実店舗とは縁がありませんでした。テレビ通販などで扱う主力商品を実店舗で販売し、消費者の反応を直接みる場をつくることで、販売戦略にいかす狙いがあるようです。
1990年代からテレビ通販で成長してきたジャパネット。創業者である高田明さんが2015年1月に代表取締役を退任し、テレビ通販番組からも引退しました。現在は長男の旭人氏が社長を務めています。
旭人社長になり、実店舗の展開だけでなく、テレビやラジオ、ネット通販などの「メディアミックス」戦略にも注力。ネット通販のサイトも大幅リニューアルしました。約8,500商品を約600にまで絞り込み、全商品にジャパネットのMCが出演する説明動画をつけています
ジャパネットの売上構成比率は190商材で8割を占めています。今回約8,500商品を約600にまで絞り込むことで提案力をさらに向上。厳選した商品をよりわかりやすく紹介し、売上比率の大きい商材の底上げを図ることが目的です。
それにより、在庫管理を効率化でき、安定したスピード配送など、物流面の品質も向上します。また、ジャパネットが力を入れている設置・工事の安定供給、アフタフォーローの拡充なども図れるので顧客満足がUPしリピート利用の促進にもつながると見ています。
このジャパネットの例から私たち建売業界が学ぶべきことは、3つあります。
ひとつは、お客様の声を直に聞くことの大切さ。ジャパネットですら生の声を聞くことが商品企画や商品販売に生きると考えているのです。中小建売業者ならなおさら、お客様の生の声を聞くことは大切。それをしない限り売れる建売住宅はつくれません。
2つ目は、絞り込むことの重要性。今回ジャパネットは商品を従来の1/14に絞り込みました。しかし、もともと売上の8割は190商材で売っているのですからリスクは思うほどありません。つまり、デメリットよりメリットの方が多いということ。
建売販売でいうなら、狙うお客様の層をもっと絞るということ。よくよくお客様の客層や家族構成を考えるとターゲットは限定されているはずです。
であれば、よりその人たちに限定した商品をつくった方が商品企画も販売も簡単になるということ。絞り込むことのデメリットはありません。
そして最後は、商品説明を丁寧にすること。ジャパネットはただ単に商品を減らしたのではありません。商品を減らすことによって、その分商品説明を丁寧にすることにしたのです。
高額な商品になればなるほど、商品説明は重要になります。売上を左右するのは商品説明と言っても過言ではありません。ジャパネットはそれをわかっているからこそ商品点数を減らして、すべての商品に動画とテロップを使って分かりやすく説明しているのです。
人生で最も高い住宅ならなおさら商品説明は重要。テキトーに済ませている会社は近い将来大きなしっぺ返しが来るでしょう。社長が引退しても進化し続けるジャパネット。注目の会社です。
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