多くの建売住宅を見てきて思うことは、「覚悟」ができていない建売業者さんが多い、ということです。覚悟とは、思い切り。もっと具体的な言葉でいえば、絞り込み。ターゲットが絞り込めていないたて建売業者さんがほとんどです。
そのため、八方美人の家ばかり。八方美人というと聞こえはいいですが、単に個性のない家、万人受けを狙って万人に無視される家です。もっとも、極端にターゲットを絞り込み過ぎている家も考えもの。ターゲットはあくまで実在する人、その家を望む人が複数いることが条件です。
そうは言っても、どうやってターゲットを絞り込んだらいいのかわからない、という人も多いのがこの業界。そんな時は、まず、なるべく多くのハウスメーカーのパンフレットを集めることです。
最近は、住宅展示場に行かなくてもインターネットで簡単に資料請求できます。ハウスメーカーには申し訳ありませんが、家族の名前で資料請求しましょう。
ハウスメーカーはいろんな種類のパンフレットを用意していますが、その中でも一押しの商品というのがあります。まずは、各社の一押し商品を検討します。
ちなみに一押し商品というのはホームページなどで大々的に宣伝しているか、新商品として売り出されたもの。今、もっとも力をいれている商品です。各社のそんな商品を分析するのです。
私の手元にもたくさんの会社の最新パンフレットがありますが、面白いことにトップを走る大手ハウスメーカーはどれもよく似ています。実際、社名を隠せばどの会社のパンフレットかわからないくらい、使っている写真も訴求しているポイントもよく似ています。
つまり、ターゲットが同じだということです。彼らがターゲットにしているのは、ズバリ、女性。小さな子どもを抱えた専業主婦か、小さな子どもを抱えた共働きの女性。そんな女性がいきいき暮らすにはどんな間取りがいいか、どんな設備がいいかをパンフレットの中で提案しています。
もちろん、そんなことはわかってるよ、という人も多いでしょう。しかし、それが実際の間取りやチラシ、販売図面、現地での営業マンの説明に反映されているかというと、ほとんど反映されていません。
ひと目でこの物件は、女性のための物件なんだということがわからなければ、それは女性にターゲットを絞っているとはいえないのです。それができるかできないかが、大手ハウスメーカーと中小建売業者の違い。高くても売れるか、安くしないと売れないかの違いです。
まずは、女性にターゲットを絞りましょう。
そして、女性が好む提案の仕方を考えましょう。それが差別化の第一歩です。
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