「おじいちゃんのノート」が爆売れしています。「おじいちゃんのノート」とは、水平開きノートのこと。下町のおじいちゃん職人が作っているから、「おじいちゃんのノート」と呼ばれています。
このノートの特徴は、ノートを開いた時に中央部分が膨らまないこと。コピーやスキャンした時に中心部の影が映らないことはもちろん、綴じた部分に段差ができないので書きやすく、ページをまたいでの記入も簡単にできることです。
そのため、A3のノートは開けばA2判に、A4のノートはA3判、B5ノートはB4判の方眼紙として使えるので、学生(主に理系・技術系の学生や受験生)に大人気になっています。
製本一筋の職人さんが持つ高い技術がなせる技で印刷後の二つ折りの紙を寸分たがわず重ね合わせる工程は、一人の熟練した職人が行っており、一日に300冊しか作れないといいます。
まあ、ここまで聞くと、確かに売れそうな気がしますが、実はこのノート爆売れするには結構、時間がかかりました。2年間の開発期間を経て商品化されたのは、2014年の10月。2015年には本格的に販売を開始したものの、なかなか売れず年末には数千冊の在庫を抱えたと言います。
もちろんこの期間もただ黙って売れるのを待っていたわけではありません。しっかり販売活動も行っていました。扱ってくれそうな企業を1年で60社近く訪問営業したり、東京都より性能が評価され「トライアル発注認定制度」に選ばれ、東京都の認定商品カタログに掲載されたり、文具業界の有名ブロガーに取り上げてもらうなどの活動をしたのですが、一向に売れません。
そんな時、おじいちゃんが孫(学生)にこのノートをプレゼントしたところ、孫がこれなら誰か欲しい人がいるかもしれないとTwitterでツイートしたところ一気に拡散。3万以上リツイートされることになり、3万冊以上の注文が入るようになったと言います。まさに、Twitter様さまです。
商品が売れるのには、3つのMが重要だと言われています。
3つのMとは、
Market:(市場)お客様
Message:(メッセージ)何を言うか
Media:(メディア)どんな媒体を使うか
要するに、誰に、何を、どんな媒体を使って言うか、が大事だということです。
おじいちゃんのノートも、売れる前と売れた後で商品が変わっているわけではありません。商品もメッセージも同じなのに、どんなメディアを使ったかによって大きな違いが現れたのです。
今回の勝因は、使う人(学生)が情報収集ツールとして利用するTwitterにメッセージを載せたこと。購入する確率の高い人が利用する媒体を利用したことが勝因です。
これは建売住宅も同じ。家を買う人が情報収集に利用するメディア(媒体)を使うか使わないかによって、同じ物件でも売れ行きは変わるということ。
もっと言えば、メディア(媒体)だけでなく、どんなメッセージを流すかによって同じ物件でも売れ行きは変わってくるということです。だから、広告や販売図面が重要なのです。
あなたの物件は、正しいメディアに正しいメッセージを流していますか?
思うように売れないのはそこが原因かもしれませんよ。
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