コンサルティングをしていると2つのタイプの経営者に出会います。
過去にとらわれる経営者と過去を引きずらない経営者です。
一般的には、年齢が高いほど過去を引きずる傾向が高くなります。
過去を引きずる経営者がよく使う言葉があります。
それは、
「以前やったけどダメだった」
「そのやり方はうちの商品には合わない」
「そのやり方はこのエリアでは通用しない」
等々の否定の言葉。
過去の失敗体験が尾を引いているのがわかります。以前、ある経営者にチラシを提案したことがありました。その経営者は、チラシなんてお金がかかるだけで効果はないよ、とひと言。
そこで過去に配布したというチラシを見せてもらったのですが、なるほどこれじゃあ効果がないはずだ、というチラシでした。チラシという集客手段が効果がないのではなく、チラシ自体が未熟だったのです。
そこでダマされたと思ってチラシの予算を組んでください、とお願いしたのです。大幅に値下げすることを考えていたこともあり、試しに少しだけ予算と時間をもらいました。
そこでチラシを完全リニューアル。
プロのデザイナーを入れて、写真を取り直して、配布エリアを設定し直して、という作業をしたのです。チラシの配布枚数は、5万枚。1万枚を5回、同じエリアに新聞折込とポスティングに分けて配布しました。
結果は、1年以上売れ残っていた物件が見事完売。購入した人は、現地から徒歩13分の賃貸アパートに住んでいた人でした。実はこのやり方は、住宅販売の王道。マーケティングの常識中の常識です。
昔、やったけどダメだったのはチラシという手段のせいではなかったのです。チラシという手段を上手に活用できなかった自分たちの未熟さのせい。それをチラシという手段に責任転嫁していただけなのです。
もう一度、昔、やったけどダメだった理由を考えましょう。自分の物件に合わないと思うなら、合わせる方法を考えましょう。できない理由をどれだけ考えても結果は変わりません。うまくいく人は、どうすればうまくいくかを考える人。他人の成功を自分の成功に応用できる人です。
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