1997年のある日、1人の男が家で暇を持て余し、古新聞を束ねたり、山積みになった通販カタログを選別したりしていた。すると、置きっぱなしになった紙屑の下から、とんでもないものが出てきた。映画「アポロ13」のビデオだった。
6週間前のある夜、妻と一緒に楽しんだビデオだった。次の日の朝に返却しなければならなかったヤツだ・・・彼はひどく落ち込んだ。まず頭をよぎったのは、延滞金だった。・・・”40ドル”それだけあれば新品が買えるじゃないか!彼はしみったれた後悔にさいなまれた。自分の不注意が招いたことだったからだ。
こんな思いをした人はごまんといる。だが、彼がその他大勢と異なっていたのは、この煩わしさから疑問が生まれたことだ。ビデオ・レンタルの仕組みと、そこから派生するイライラや面倒な事柄に対する疑問だった。
その日、延滞金40ドルのことをくよくよと考えながら、ジムに向かう道で、ふと疑問が湧いた。「なんでビデオ・レンタルはジムのようにできないんだ?どこで見ようと、何度見ようと見まいと、同じ料金ってわけにはいかないんだ?」疑問は次々に浮かんできた。
ビデオレンタル業は延滞金なしの定額会費では成り立たないのか?顧客は延滞金を課さなくても返却するだろうか?顧客を満足させられるだけの在庫を準備することができるだろうか?それで採算はとれるだろうか?男は頭に浮かんできたアイディアを、まずは紙の上で、次に実生活の中で考えていった・・・」
この男の名前はリード・ヘイスティングス。勘がいいあなたならお気づきだと思いますが彼は21世紀、最も急成長を遂げた企業のひとつ「Netflix(ネットフリックス)」の創業者。
当時、米国でビデオレンタル業界の巨人として君臨していた「ブロックバスター」を倒産へと追い込み、売上高7,700億円企業へと成長させた男。しかし、創業のきっかけは誰もが経験したことのあるこんな些細な出来事だったのです。
で、この事例から何か言いたいのか?それは、成功の芽はどこにでも潜んでいるということ。成功するためには、誰もが悩んでいることや不満に思っていることを解決することだということです。
実際、不動産販売にしろ、建売分譲にしろお客様が不満や不安に思っていることは山ほどあります。それを解決してあげれれば売上は大きく伸ばせます。しかし、多くの業者さんはそれをしようとしません。考えることすらしません。そして、売れない・・・と悩んでいるのです。
その最大の理由は、解決策を知っていたとしても「面倒くさい」と考えているから。面倒なことをやろうとしないからです。だから、面倒なことをやった人は成功できる。Netflixのような奇跡を起こすことができるかもしれないのです。
あなたは、「面倒くさい病」にかかっていませんか?面倒だなと思ったら、それは成功の種を見つけた証拠。面倒でも解決策を考えましょう。それだけでライバルより頭一つ抜け出せますよ。
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