仕事柄、切羽詰まった不動産会社からの問い合わせも時々あります。
「すぐに売れる方法はありませんか?」
「今月中に売れないとヤバイんです・・・」
すぐに売れる不動産広告をつくって欲しいという依頼ですが、正直、すぐに売れるかどうかはやってみなければわかりません。過去にはそんな状況を切り抜けたこともありますが、絶対できるかどうかは保証できません。もっとも、保証できるというコンサルタントがいるなら、その人はかなり怪しい。というのも、一度や二度の広告では売れないのが普通だからです。
これは、広告の質の問題ではありません。どんなに素晴らしい広告ができたとしても、読めば誰もが欲しくなる広告ができたとしても、そもそも読んでもらえるかどうか、わからないからです。
広告の世界には、反復性効果と呼ばれるものがあります。反復性効果とは、同じメッセージを何度も反復して伝えることによって時間の経過とともに効果が現れはじめ、読者の意識や態度が変化しやすくなるというもの。広告業界では常識で、同じ時間帯に何度も同じテレビコマーシャルを流したり、選挙活動で候補者の名前を反復したりするのは反復効果を狙っているからです。
要するに、メッセージが提示される回数が多ければ多いほど、説得効果が高まるということ。お客様を説得するには、広告を何度も打つことが重要だということです。
ハーバード・E・クラグマンは、この反復効果の研究をさらに進め、3ヒット理論を作り上げました。3ヒット理論によると、人が広告を見た時の反応は、回数によって次のような違いが生まれまれるといいます。
1回目:「何だろう?」という反応
2回目:「何について語っているのだろう?」という反応
3回目:「何だっけ?」と思い出す反応
4回目以降:3回目と同じ反応
要するに、1人の人間に3回広告を見せると購入率が高まるというのです。これは「3信の法則」とも呼ばれ、メッセージは3回反復しなければ、本当の効果は分からないということです。
つまり、広告の効果を最大限に高めるには、広告を公開して1回目の反応だけで判断してしまうのではなく、3回見て貰えるようにすることが重要だということ。少なくとも3回分の広告予算がないと、どんな素晴らしい広告がつくれたとしても成果につながりにくいということです。
広告で重要なのは繰り返し伝えること。一度や二度で諦めないことです。
そこのところくれぐれもお忘れなく。
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