国内清涼飲料2位のサントリー食品インターナショナルは、日本たばこ産業(JT)の子会社で、飲料の自動販売機事業を手がける2社の保有株式を取得しました。
またサントリー食品はJTの缶コーヒーブランド「Roots(ルーツ)」と清涼飲料水ブランド「桃の天然水」も同時に取得。取得総額は全体で1500億円程度となります。
株式を取得して事実上の子会社にするのは、JTが70・5%を出資する「ジャパンビバレッジホールディングス」と同49・7%出資の「ジャパンビバレッジエコロジー」の両社。これでサントリーはグループですでに出資している12%分と合わせ、ジャパンビバレッジへの出資比率は83%となります。
自販機の保有台数を増やし、首位の日本コカ・コーラの追撃態勢を整えたいサントリーと、たばこ事業に経営資源の集中を進めるJTの思惑が一致し、今回の買収となったようです。
JTは、飲料製造販売事業から撤退する予定で、自販機事業も売却が妥当と判断。サントリーの自販機の保有台数は、現在49万台で、JT系2社の買収後は単純合算で75万台になり、日本コカ・コーラの約83万台に肉薄することになります。
今回の買収で参考になるのは、サントリーが自販機の保有台数を増やすことに執着したことです。自販機を買収するということは、実は、流通網を買収するということ。商品を販売してくれる販路を確保したということを意味します。
商品がどんなにすばらしくても、商品がどんなに安くても、販路がなければ売上は上がりません。お店で販売する、通信販売で販売する、インターネットで販売する、などいろんな販売方法がありますが、売ってくれる場所が多ければ多いほど売上は上がりやすくなるということです。
新築住宅販売で売上を伸ばすのも、この販路を増やすことがもっとも効果的なやり方です。多くの建売業者さんは、この販路を伸ばす、流通網を構築する、ということに関心がありません。むしろ、販路は少ない方がいいと思っている業者さんもいるほどです。
逆に、レインズに登録すれば全国の不動産業者に情報が流れる、アットホームやマイソクに流せば登録業者に情報が流れるから大丈夫だと思っている業者さんもいますが、それはやらないよりはやった方がいいというレベル。決して、満足できるレベルの流通網ではありません。
大切なことは、あなたの物件を一生懸命セールスしてくれる不動産会社の流通網を持つこと。そんな流通網を構築することです。それができるだけで、売上は一気に上がります。それだけ流通網の構築は重要な作業だということ。盲点ですが売上アップの重要なポイントです。
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