クローゼットで差別化

不動産マーケティング

賃貸アパートに学ぶ!クローゼットで差別化する方法。

都市部などの新築アパートで、ここ数年新婚カップルをターゲットにした1LDKプランが増えてきました。このターゲットの特徴の一つは、経済的に余裕があるということ。

新婚といえども、初婚年齢は年々上昇傾向にあり、男性は31.1歳、女性は29.4歳(2014年厚生労働省人口動態統計月報年計より)。社会人としても中堅にさしかかり収入も安定しはじめる頃です。

では、そんな共働き夫婦二人世帯は具体的にどんなライフスタイルを送っているのでしょう。ある大手ハウスメーカーの調査結果をみてみると、

平日はお互い仕事で忙しく、すれ違いの生活が多いようです。朝食時間は52%、出勤時間は61%、帰宅する時間は83%が夫婦別になるという調査結果が出ています。

それでいて、夕食の時間が別々である割合は36%と低く、帰宅時間は違っても、せめて「夕食はできるだけ夫婦で一緒にするようにしている」と二人の時間を大切にする様子が伺えます。

一方、平日の夜に「配偶者とどのようにくつろぎたいか」については、「一緒の空間で同じことをしてくつろぎたい」が38%ですが、「一緒の空間で別々のことをしてくつろぎたい」が53%と多く、一人の時間を楽しみたいという傾向が見て取れます。

その他の調査結果から、共働き夫婦二人世帯は、「夫婦といえども精神的には自立した関係でいたい」という意識が、子どものいる共働き世帯より高く、お互いの収入(財布)は各々が管理するなど、精神的にも経済的にも自立している傾向が伺えます。

では、現状の1LDKの間取りは、どの程度共働き夫婦二人世帯のライフスタイルに対応できているのでしょうか?もっとも課題になったのは、収納に関することです。半数以上が「住んでみたら予想以上に収納が足りない」と感じ、約半数が衣類の半分は収納に入りきらずあふれているようです。

さらに、要望が多いのが「夫婦の衣類は別々に収納したい」というもの。年齢的にも30代となるとお互いの持ち物も多くなります。衣服に限らず、趣味のものやゴルフなどのスポーツ用具の置き場にも困るようです。

そのため、あるハウスメーカーでは衣類や趣味のものなど、夫婦それぞれが管理できるように2つのウォークインクローゼットを設けました。

これなどはそっくりそのまま建売住宅にも応用できます。夫婦2人世帯のみならず、子どものいる世帯でも夫婦の衣類や持ち物は別々に収納しているという世帯は多いからです。大きめのウォークインクローゼットなら2つに区切るだけでできますし、間取りを少し工夫すればいくらでも可能です。

賃貸アパートでできることが、建売住宅でできないことはありません。いいものはどこからでも採用する、そんな気持ちがあれば賃貸アパートを見る目も変わってきます。

2つのウォークインクローゼットのある部屋。あなたの建売住宅にも採用してみてはいかがですか?簡単だけど、大きな差別化になるアイデアです。お試しください。

 

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