安くなければ売れない!
そう、思い込んでいる建売業者さんがたくさんいます。
確かに、土地の仕入れなどは安ければ安いほどいいと思いますが、そこそこの建物をつくろうと思えば、価格もそれなりになってしまうのが現実。安い家ばかり提供できるとは限りません。
もっとも、競合をパワービルダーだとすればその気持ちもわかります。何しろ彼らの建築価格は極安。どれだけ安く土地を仕入れても勝てるわけはありません。
そこで目を向けて欲しいのが、もう少し上の価格帯。パワービルダーより高いけど売れている価格帯はないか?ということです。なかなか同業社で見つけることは困難ですが、他業界なら比較的簡単に見つかります。
例えば、回転寿しの業界。
回転寿しと言えば、スシローが思い浮かびますが、スシローはいわばパワービルダー。このスシローと少し違うポジションで大活躍しているのが「すし銚子丸」です。
すし銚子丸の売上は197億円(前年同期比3.4%増)。直近10年の売上高は一貫して右肩上がりで成長しています。07年は126億円で、07年からの10年間一度も減収になったことがないという好調ぶり。競争が激しい外食産業では健闘しているといえるでしょう。
もっとも業界最大手は「スシロー」で、売上高は1,350億円。大手と比べると規模の面ではまだまだといえますが、中小企業がお手本にするには十分です。そんな好調の「すし銚子丸」の秘密は、マグロにこだわったメニューの充実。産地直送で鮮度の高い厳選された旬の食材を提供していることが強みとなっています。
もちろん、その分価格はスシローと比べるとかなり高め。もっとも安い寿司が130円、それ以外は、180円、250円、300円、420円、580円、それもすべて税別となっていますから客単価は相当なもの。スシローとは比べものになりません。でも、売れているんです。
理由は、ネタの鮮度だけではありません。
もう一つの理由は、従業員の接客レベル。回転寿しとは思えない接客サービスが人気の隠し味になっているのです。
実際、すし銚子丸では、「寿司は3割、接客サービスが7割」を標榜しており、それは寿司職人にも求められています。だから、たとえ握りの技術が高くても接客スキルが低ければ採用されません。それほど接客に重きを置いているのです。
これはそのまま私たち建売業界にも応用できます。商品にこだわるのはもちろん、接客レベルを上げることで、少し高めの価格帯も攻略できるということ。回転寿し業界でできることが建売業界でできないはずはありません。
とりあえず、今日は「すし銚子丸」に出かけてみましょう。そしてどんな接客レベルか確かめてみましょう(笑)。きっといい勉強になりますよ。
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