私がコンサルティングするとき、建売業者さんにお願いすることがあります。
それは、「うちは建売(タテウリ)だから・・・」という言葉を使わないようにしてもらうこと。
建売だから・・・できない。
建売だから・・・仕方ない。
建売だから・・・という言い訳を言わないようにしてもらいます。
V字回復する建売業者さんと、なかなか業績が回復しない建売業者さんの違いは、「うちは建売だから・・・」という発想を持っているかいないかの違いだけ。裏を返せば、うちは建売だから・・・という言い訳を続けている限り、思ったような業績は上げられないということです。
以前、ある建売業者さんからコンサルを依頼された時のことです。不動産仲介出身の建売業者さんだったのですが、売れ残りを多数抱えて悩んでいらっしゃいました。実際、かなり経営は厳しくコンサルティングするといっても、かけられる広告宣伝費はチラシを数回できる程度。もちろん値下げもできません。その上、完成前に売却したいとのこと。要するに建築中の建売住宅を売って欲しいというのです。
建築中の現場を売るのは簡単ではありません。しかし、建築中の現場だからこそ他社と差別化できる方法があります。それが掃除。現場が汚いのが当たり前の建売住宅だからこそ、現場を綺麗にするだけで他の建売住宅と簡単に差別化ができます。その上、掃除にはお金がかかりません。簡単に差別化ができて、お金がかからないわけですからやらない手はないのですが、ほとんどの建売業者さんはやりません。
最初は、この社長さんも同じでした。「建売だから掃除なんて職人さんに頼めない」というのです。安く請け負ってもらっているから、そんな面倒なことはお願いできない・・・職人さんの機嫌を損ねると後々面倒だから余分なことは頼めない・・・というのが社長の考えでした。確かに、その気持ちもよくわかります。
そこで提案したのは、社長自らが現場を掃除することです。「今週、現場見学会をやるから掃除に来ました」とか「明日、お客さんを案内するから掃除に来ました」とか、それなりの理由をつけて社長自らが掃除に行くようにしてもらったのです。
すると、どうなるか。何回かそんなことがあると、職人さん自らが掃除をして帰るようになるんです。気がつけばその会社の現場はどの建売業者の現場より綺麗に変身。営業マンからの受けも良くなり、案内後の成約率も上がりました。
大切なことは、建売だから・・・と言い訳をしないことです。建売だからできないのは当たり前であれば、建売なのにできるようになれば差別化できるということ。それをたくさん積み重ねればライバルを大きく引き離せるということです。あなたは建売だから・・・と言い訳していませんか?この言葉を使わなくなった時、あなたの会社は大きく飛躍できます。
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