ホンダの5代目「ステップワゴン」が、思わぬ苦戦を強いられているそうです。
日本自動車販売協会連合会が発表した新車乗用車販売台数の月別ランキング(7~12月)によれば、直接のライバルとなるトヨタ自動車「ヴォクシー/ノア/エスクァイア」の3兄弟が計9万7540台、日産自動車「セレナ」が2万6921台に対し、ステップワゴンは2万9504台とトヨタの3兄弟に大きく水を空けられているだけでなく、2010年登場でモデル末期の現行セレナと拮抗しています。
新車投入から1年も経っていないのにすでに新車効果が感じられないステップワゴン。なぜなのでしょうか?実は、これには意外な事実が隠されていたのです。ホンダの開発担当者によれば、ステップワゴンが属する5ナンバー2リッタークラスの背高ミニバンでは、奥様方の井戸端会議が売れ行きに大きな影響を持つといいます。
男性には意外かもしれませんが、近所の公園などでの井戸端会議で、奥様方の車談義がしばしば行われるそうです。スタイリングやハンドリングが話題に上ることはほとんどありませんが、話題になるのは価格と燃費と使い勝手。
多くの家庭で同じクラスのミニバンを所有しているので、子供たちのスポーツの試合などに、交代で出動するのだといいます。そのため、井戸端会議でどれだけ点数を稼ぐかが、このクラスのミニバンの売れ行きを左右するとのこと。
それが多彩な収納スペースや定員以上のカップホルダー、簡単なシートアレンジといった現行の5代目ステップワゴンが打ち出した「おもてなし」に行き着いているのだそうです。
しかしそれだけでは横並びであり、ライバルのノア/ヴォクシー/エスクァイア、セレナを引き離すのは難しい。そこでホンダが現行ステップワゴンに盛り込んだのが、ターボエンジンの投入でした。
しかし、これが裏目に出たのです。
燃費を重視する傾向の強い奥様方には、ダウンサイジングターボの知名度は今ひとつ。走りを優先する男性には受けても、燃費を優先する女性にはハイブリッドのほうがわかりやすいかったからです。
せっかく、使いやすい「わくわくゲート」を設けたり、センスのいいインテリア、静粛性、乗り心地、ハンドリングに工夫を凝らしたのに、男性に好評のダウンサイジングターボを採用しただけで伸び悩む・・・。モノづくりとは本当に難しいものです。
ここで私たち建売業者が学ばなければならないことは、女性目線を大事にするということ。男性の領分である「クルマ」選びでさえ、すでに女性が購入決定権を持つ時代だということです。
ましてや、女性がいる時間が圧倒的に長い「家」となればなおさら女性の購入決定権は強くなるのが普通。それにどれだけ応えられているか?ということです。そろそろ真剣に女性目線で家づくりしませんか?それだけでライバル大きく引き離せますよ。
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