アドビシステムズが、企業のWebサイトやソーシャルメディアなどのデジタルメディアが、消費者の購買行動にどのような影響を与えているかに関する調査結果「消費者行動調査 2016」を発表しました。気になる結果がいくつかありましたので、ご紹介します。
まずは、店頭で気になった商品があった場合のお客様の行動です。
実店舗で消費者が気になった商品の情報収集のため、どのような行動をとるのかを調べた結果、60.2%がWebで調べると回答し、前回の52.3%より7.9ポイント増加しました。
また、「その場でスマートフォンなどからWebで調べる」と回答した人の割合が25.6%と前回調査時の15.3%より10ポイント以上増加していることから、消費者は場所や時間に関係なく情報を調べる習慣が定着してきたことが伺えます。
次に、消費者が企業のWebサイトや電子メールから受け取る情報に対してどのような認識を持っているかを調べたところ、82.9%の消費者が「企業サイトから提供される情報は自分の関心から遠い」と感じていることが明らかになりました。
また、企業のWebサイトや電子メールから得られる情報が、受け取った時点で本人のニーズや意識とどの程度一致しているかを尋ねたところ、「まったく一致していないことが多い」「あまり一致していないことが多い」を合わせると65.8%の消費者が一致していないと回答しています。
これらのことから導き出されるのは、消費者は気になる商品が見つかるとすぐにその場でスマートフォンなどから調べるが、企業のWebサイトから提供される情報には自分たちの知りたい情報がないと感じているということです。
不動産業界で言えば、営業マンから渡される資料や住宅サイトに掲載される情報、チラシや現地看板などから物件についてもっと詳しく調べようとして企業のホームページにアクセスしても、そこには知りたい情報が出ていないということです。
これは私も常々感じています。
色んな原因が考えられますが、基本的には「詳しい情報はネット上で公開すべきではない」という不動産業界の古い体質が原因だと思います。
「情報が欲しければ問い合わせをしろ!」
「無料で情報公開しても反響が取れなければ意味がない」という考えが蔓延しているからでしょう。
もちろん、この考え方が全て間違っているとは言いませんが、少なくとも消費者はこの業界の体質に違和感を感じているのは確か。最近の消費者の購買パターンとは大きくずれていることは間違いありません。
だから、遅かれ早かれ是正される時期が来ます。だとすれば、早めに対応した方が勝ち。多くの業者が重い腰をあげる前に対応すればそれまでは一人勝ちできます。お試しください。
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