コンサルティングの現場でよく感じることのひとつが、時代認識の差です。
私は悲観的、多くの建売業者さんは楽観的だからです。
バブル崩壊、リーマンショックを乗り越えてきたせいでしょうか、明るい未来とは思っていない方が多いようですが、悲観的にも考えていない会社が多いように思います。
それに対して、私は反対の立場。住宅産業は斜陽産業だと思っているので、正直、じれったい思いをすることは少なくありません。建売業者さんの言い分は、住宅産業は景気対策に直結するから政府が放っておかないというものですが、果たしてこれからもその通りでしょうか?
確かに今まではその理屈が通ってきました。しかし、現在の家余り現象やこれからの人口の減少を考えると今までの政策がこれからも続くとはとても思えません。仮に続いたとしても、人口減少は避けられないのが事実。市場が縮小するのは誰が見ても明らかです。
実際、建売住宅の分譲戸数と需要を比較してみると、建売住宅の需要は2010年に12.7万戸であったものが年々減っていき、2020年には9.9万戸まで減ると予想されています。
その要因は住宅一次取得人口(25歳から39歳)の減少が一番大きな要因で、そこに未婚率の上昇による住宅取得意向の低下が加わります。それに対して住宅着工は2013年度に13.4万戸と需要11.7万戸を+1.7万戸(+14%)も上回りました。
そのため、2015年度は需要11万戸よりも▼1万戸(▼9%)少ない10万戸。そして2016年度以降は、建設原価上昇による在庫リスクを抑えるため、着工数は2018年には9.5万戸と10万戸を割り、2020年には9万戸まで減ると予想されています。
つまり、それだけ市場は縮小するということ。お客様の数が減るわけですから、今までと同じやり方では会社は存続できないということです。もちろん、数は減っても需要がないわけではありません。需要はあるけど、競争が激しくなるだけ。競争に勝てない会社は淘汰されるということです。
ビジネスは悲観的に考えて行動すべきものです。悲観的に考えて準備しておけば、もしもが来ても怖くありません。そろそろ真剣に新しいビジネスモデルを考えませんか?今ならまだ間に合いますよ。
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