コンサルティングをしているとよく聞く言葉があります。それは、
「それ、知ってます」という言葉。
クライアントさんから何気なく出てくる言葉ですが、この言葉を聞くと私たちコンサルタントは「ビクっ!」と反応します。なぜなら、これが口癖になっているクライアントさんは、成長が遅いからです。
脳には本来、「知りたい」という本能があります。その本能は、記憶や思考と深い関わりがあり、そのおかげで私たちは新しいことを学んだり、社会に適応していったりすることができるのです。
私たちは、子供のころから好奇心を持つことによって人に興味をもったり、新しいことを吸収して成長します。つまり、この好奇心こそが成長の始まりなのです。しかし、この好奇心を遮断してしまうのが「それ、知ってます」という言葉。
「それ、知ってます」
「それ、聞いたことあります」
と言うことは、脳に向かって「これ以上、学ばなくていい」という命令を出しているようなもの。脳の本来の力である「好奇心を持って新しいことを学習する」という機能に自からストップをかけているようなものなのです。
そのため、そんな言葉が頻繁に使われると神経伝達路の機能が低下して、思考する力がだんだん衰えていきます。簡単に言えば、頭が悪くなっていくということです。
だから、たとえ聞いたことがあることでも、
たとえ、知っていることでも、「まだ自分が気づいてないことがあるかも」「まだ自分が知らないことがあるかも」と考えることが大切。そうすることで、脳はそれを探そうとして活性化するからです。
実際、それは本を読むことと同じです。
一度読んだことのある本でも時間が経って、もう一度読んでみると、最初読んだ時には気づかなかったことに気づくということはよくあります。
その上、知っていると思っていても、いざやってみると全く出来ない、ということもあります。頭で知っていることと実際にできることは別だからです。だから、知っているというのはスタートだと認識することです。知っているだけでは不十分。知って、無意識でできるようになって、人に教えられるようになって初めて自分のものになるのです。
それまでは、「それ、知ってます」という言葉は敢えて封印すること。それが成長を促す秘訣、あなたの会社の売上を伸ばす秘訣です。お試しください。
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