不動産会社の経営者の悩みの一つに、離職率があります。辞めていく理由は色々ですが、ひとつだけ言えるのは、社員が辞めるのは経済的にも時間的にも大きな損失だということ。新たな社員を雇うにしても、またゼロから募集、教育を始めなければならないからです。
もっとも、社員が辞めるのは不動産業界に限った話ではありません。とりわけ、若い社員が辞めていくのは多くの業界の共通の問題。人手不足が深刻化していくこれからの時代。若い社員の離職を止めることができるかは、会社の成長に直結する大きな問題です。
では、なぜ社員は辞めていくのでしょうか?
人間関係や給与の問題など、個別の問題は色々ありますが、優秀な社員が辞めていく場合は、たいていは成長性の問題。
「この仕事(会社)は好きですが、このままここにいても成長できるかどうかわからないので・・・」と、みんな口を揃えてそう語ります。もちろん、会社の成長に対する不安もあると思いますが、それ以上に自分の将来への不安が大きいのです。
では、どうしたらいいのか?
自分が成長している実感を味わわせてあげることです。会社の中で確実に自分が進化していることを、社員自らが実感できる仕組みを構築しておくことです。
それが、評価システムです。会社には役職があります。しかし、その役職はどんな評価によって決まるのかと言うのはブラックボックスになっているのがほとんどです。
経済産業省の調べでは、日本には421万の企業がありますが、具体的な評価基準を示している会社は、わずか1割程度。先進的な上場企業で、ようやく3分の1以下。ほとんどの企業が明確な基準がないまま、「好き嫌い」も含めた上司(社長)の個人的な主観で人事評価が行われているのが実情です。
そのため、人事評価に満足している人は、わずか3.2%程度。ほとんどの人が不明確な人事評価に不満を持っているのです。と言うことは、何をどうすれば評価されるのか、その基準をクリアすると自分はどのランクにステップアップできるのか、ステップアップすると給与(ボーナス)はどう変わるのか、が明確になればモチベーションは上がると言うこと。評価基準が曖昧で、将来に不安を感じて辞めていく社員は少なくなると言うことです。
あなたの会社は社員の評価に明確な基準を設けていますか?評価システムは離職率を防ぐ有効な手段です。早急に構築すべきですよ。
この記事へのコメントはありません。