先日、ある建売会社の社長さんから商品企画についての相談がありました。
簡単に言えば、売れる建売住宅を企画して欲しいということなのですが、これがなかなか大変。商品企画自体は、そんなに難しいことではありませんが、、問題は、工事部との調整。これが厄介なのです。
この会社もそうなのですが、今の商品は、ごくごく普通の建売住宅。よく見かける、ひと目で建売住宅だなという建物です。可もなく不可もない家ですから、いつも値引き圧力にさらされています。それをなんとかしたいということで、相談にいらしたのですが、新しい企画の構想を説明すると、すぐに、工事部から反対が入ります。もっとも、工事部でなくとも、社長自身からも同じように反対が入ることも少なくありません。
反対の理由は、たいてい、施工のしやすさとメンテナンスについて。その施工法よりこちらの方がいい、その商品よりこちらの方がメンテナンスがラク、というものがほとんど。新しい素材、新しい商品、デザインに優れたもの、仕入先が小さな会社のもの(輸入物)、などはことごとく却下されます。
すると、どうなるか?
最終的には、今、自分たちがつくっている建売住宅に逆戻りしてしまうのです。要するに、施工が簡単で、とんがった部分のない、入手しやすい商品だけを仕入れてつくると、ありふれた家ができるということ。どこかで、リスクを冒さないと魅力的な家は出来ないということです。
もちろん、工事部の言いたいこともわからないではありません。新しい商品は、実績もありませんし、メンテナンスも難しいかもしれません。お客様からのクレームは全て工事部で対応しなければいけないわけですから、少しでもそんなリスクは冒したくないというのも当然です。しかし、それを言っていたら、会社の競争力はどんどん落ちていくばかり。いつまで経っても強い会社にはなれません。
大切なことは、リスクを冒す勇気です。リスクヘッジができるよう準備万端にすることです。そうやって、新しい価値観を提案する。他社と同じような商品をつくっていてはすぐにマンネリ化するだけ。いつまで経っても売上不振と値下げ圧力からは解放されません。さぁ、思いっきって勇気を出しましょう。新しい世界が見えてきますよ。
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