世の中には流れというものがあります。
時流という言葉が適切なのかもしれませんが、時流にうまく乗るとビジネスは簡単に成功します。
だから、時流を知ることはとても大切なのですが、その流れは早く、あっという間に古い時代に自分たちを取り残してしまいます。そして気がつけば、新しい時流から取り残されてしまう。古い時流の中でもがき苦しむことになるのです。
例えば、女性目線という時流。
家は女性目線でつくらなければ売れない、という考えが住宅業界を席巻しました。一日中家にいるのは女性。だから女性を喜ばせる家をつくることが売れる住宅につながる、という考えです。その上、いつの間にか購買決定権は女性にあるという考えも定着。気がつけば女性目線の家こそが、時代の中心のような風潮が生まれたのです。
もちろん、女性目線の家が間違っているわけではありません。現実的に、女性の目線を大事にした家は人気がありますし、女性ならではの視点が生活に潤いを与えることは多々あります。しかし、家は女性だけのものか、というと決してそうでもありません。男性もそれなりに家に対しては欲求があります。それをいつの間にか忘れてしまっているのです。
そして、マーケティング的にいうと、世の中の誰もが女性目線の家というようになると、すでにそのマーケットは飽和状態になっているということ。女性目線というだけでは差別化できない状態になっているということです。そりゃあそうです。猫も杓子も広告に女性目線の家、というようなことを訴えるようになると、女性目線という言葉ではお客様は反応しなくなります。ひと言でいえば、飽きてしまっているということ。新鮮味がないということです。そうなるとすでに女性目線という時流は古い。時代はまた新しいものを求めているということです。
では、どんなものを求めているのか?
それは、今までと全く逆のモノ。女性目線の反対の男性目線です。実際、最近売れている家を見ると男性目線の家が増えてきました。アメリカンな感じの家や土間のある家、ガレージのある家などはまさに男性目線の家。そんな家がまた脚光を浴びるようになってきたのです。
もちろん、まだ主流は女性目線の家ですが、傍流にもマーケットはあります。むしろ、主流が栄えれば栄えるほど、傍流にも熱烈なファンがいるのは事実。それがニッチという領域です。ニッチと言っても、そのマーケットは巨大。中小の新築分譲業者であれば一生食べていくには困らないマーケットがあります。あなたもそろそろ主流から傍流に乗り換えてみてはいかがですか?あなたが思っている以上の美味しいマーケットが隠れていますよ。
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