多くの建売業者さんが高額な建売住宅は売れないと思っています。
建売業者さんに限らず、仲介業者も同じように高額な物件は売れないと思っています。現状だけ見れば、確かに高額な物件は売れていません。だからと言って、高額物件が売れないのかというと、それは間違いです。ちなみにここでいう高額物件というのは、億を超えるような高額物件ではありません。近隣物件より少し高額な物件のこと。近隣の物件より価格が2割程度高いような物件のことです。
要するに、いい家。材質や仕様、デザイン、外構などに優れた家で売主がお金をかけた家です。当然、一般的な物件と比べれば価格は高くなりますから、価格だけで比べられると不利です。しかし、建物自体はその分グレードアップしているわけですから、本来はプラスマイナスゼロのはずですが仲介業者はそうは思っていません。彼らは、いい物件でも価格が高ければ売れないと思っているからです。
では、どうすればいい家だけど価格の高い家は売れるのでしょう?
実は、私は以前オーダーカーテンの専門店を経営していたことがあります。オーダーカーテンの業界は、価格競争の激しい業界で、定価の50%引きは当たり前。インターネット専門で販売している業者などは定価の70%引きという会社もあるほどです。
そのため、ありきたりの商品をありきたりの売り方で販売しては利益は上がりません。 その上、私の場合は副業としてはじめた事業だったため全てが外注。オーダーカーテン専業で縫製や取り付けなどを行っている会社とは大きなハンデがあります。正直、途中までは何度もくじけそうになりました。ただ、その中でわかったことがあります。それは、説明をきちんとすれば高額でも売れるということです。
オーダーカーテンの販売でよく言われたのは、レールの取り付け工事費が高いということでした。お店によっては、レールの取り付け工事費を取らないところや、私の会社よりはるかに安い価格で取り付けてくれるお店がありました。
そのため、せっかく生地は気に入っても最後の最後に、レールの取り付け費でクレームがつくことが多かったのです。しかし、私の会社はレールの取り付けは外注。それを無料にしたり格安にすればその分利益が減ってしまいます。ただでさえ少ない利益で販売しているのでそれはできません。
そこで考え出したのは、取り付け業者のプロフィールを伝えることでした。どんな職人を利用しているのか、その職人は過去にどんな人の家のレールを取り付けてきたのか、過去の実績やキャリア、人柄などを丁寧に説明するようにしたのです。
つまり、高額な理由を説明したのです。もちろん、どうしても安くということであればこの職人さんではなく、腕は落ちますが安い職人さんを紹介することもできますが、いかがされますか?という営業トークも考えました。すると大抵の人は、せっかくの新居だからと、いい職人の方を選んだのです。
この時、学んだことが高額商品を販売するには「説明」が重要だということです。高額な理由が納得できるものであれば、お客様は喜んでお金を払ってくれるということです。
高額だから売れないのではありません。
高額な理由が納得できるように説明できていないから売れないのです。
そこのところくれぐれもお間違えなく。
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